国境なき記者団がXを告訴へ 「虚偽拡散の共犯」責任、仏司法当局に
国際NGO「国境なき記者団」(RSF、本部・パリ)は13日、RSFに関する偽情報の拡散を放置して名誉を毀損(きそん)したなどとして、X(旧ツイッター)をフランスの司法当局に告訴すると発表した。RSFはXについて「虚偽拡散の共犯であり、責任を問われる時だ」としている。 【写真】マスク氏起用、利益相反に懸念も RSFによると、SNSのXとテレグラム上では8月下旬、ロシアの侵攻を受けるウクライナ軍にネオナチの支持者がいるとする英BBCの報道を装った偽の動画が拡散。動画ではこの虚偽報道がRSFの調査に基づくと伝えられたが、実際にはRSFによる調査も存在しないウソだった。 しかし、動画はロシア政府の関係者やロシアの在外公館のアカウントなどに拡散され、9月中旬時点で50万回近くの視聴回数を稼いだ。RSFはX側に約10回にわたって問題の動画やそれを拡散しているアカウントの削除を求めたが、X側は応じなかったという。 Xをめぐっては、スペイン北東部バルセロナのバングアルディア紙が14日、陰謀論や偽情報の温床になっているとして、Xへの投稿をやめると表明した。米起業家イーロン・マスク氏がXのオーナーになったことで、「有害なコンテンツに満たされるようになった」と指摘している。Xへの投稿停止は、英紙ガーディアンも13日に発表している。(パリ=宋光祐)
朝日新聞社