輸入車トップ3! フォルクスワーゲン「ゴルフ」はメキシコ生産になっても人気維持できるのか? 日本人が愛する「メイド・イン・ジャーマニー」魂の行方どうなる
ゴルフ生産国変更の背景
2024年9月から始まったフォルクスワーゲン(VW)と労使協議会、ドイツ金属労働組合(IGメタル)との労働協約交渉は、約4か月を経て2024年12月20日に最終合意に至った。この合意では、ドイツ国内の生産能力を73万4000台削減し、3万5000人以上の雇用を減らす一方で、2030年までの雇用保障を確保し、年間40億ユーロ(約6500億円)以上のコスト削減を見込んでいる。 【画像】「えぇぇぇぇ!」 これが日産自動車の「平均年収」です! 画像で見る(10枚) この大規模なリストラ計画の一環として、ドイツ本社工場(ヴォルフスブルク)では生産モデルがコンパクトEV「ID.3」や「CUPRA Born」に変更されることになり、VWの代表モデルである 「ゴルフ」 の生産はメキシコのプエブラ工場に移管される見通しだ。 ドイツからメキシコへゴルフの生産が全面的に移管されるという決定は、世界中のゴルフファンにどのような影響を与えるのか。本稿では、50周年を迎えたゴルフの生産国が変更されるという戦略的な決断がもたらす影響について考察していく。
輸入車トップ3常連のブランド力
ゴルフの生産は1974年に始まり、2024年6月に50周年を迎えた。 これまでの累計生産台数は3700万台を超え、そのうち2000万台以上がドイツ・ヴォルフスブルク工場で生産されている。他にも、ドイツ・ドレスデン工場、スロヴァキア・ブラティスラヴァ工場、メキシコ・プエブラ工場、南アフリカ・ユイテンハーグ工場などで生産が行われている。 日本では、2021年に導入された第8世代が最新モデルとなり、現在VWジャパンでは約3年ぶりのマイナーチェンジ版「The New Golf」の予約キャンペーンが実施中だ。ゴルフは20年以上にわたり 「輸入車トップ3」 の常連であり、2023年の販売ランキングでは2位を記録し、販売台数は約1万台だった。ゴルフが輸入車の代表的なモデルとなった背景には、ドイツ車特有の高い品質や性能に加えて、VWブランドへの信頼がある。また、競合モデルを上回るコストパフォーマンスの高さが、幅広い顧客層に支持されている点も特筆すべきだ。ゴルフが「信頼できる輸入車」としての地位を築いてきたのは間違いない。しかし、今回の生産国変更により、 「ドイツ製」 というブランドイメージが損なわれる可能性がある。この変化が今後のゴルフの販売動向にどのような影響を与えるのか、注目されている。