賛否両論…実写化でキャラクターが激変した映画は?(5)複雑な気持ちになる原作ファンも…大胆な改変の是非は?
漫画やアニメの実写化映画では、PC(ポリティカル・コレクトネス)の観点などから、性別が変わったキャラクターが登場する場合がある。とはいえ、こういった試みは時に「原作への冒涜」という批判を受けることも。そこで今回は実写化で登場人物の性別が男性から女性になった映画5本をセレクト。世間の反応もあわせて紹介する。第5回。(文:編集部)
『沈黙の艦隊』(2023)
監督:吉野耕平 脚本:高井光 原作:かわぐちかいじ 出演:大沢たかお、玉木宏、上戸彩、ユースケ・サンタマリア、中村倫也、中村蒼、水川あさみ、手塚とおる、酒向芳、笹野高史、橋爪功、夏川結衣、江口洋介 【作品内容】 日本近海で海上自衛隊の潜水艦とアメリカの原子力潜水艦との衝突事故が発生。艦長の海江田四郎(大沢たかお)含む乗員全員が死亡したとの報道に、日本中が震撼する。 しかし、実は彼らは生存していた。というのも、この事故は、日本初の高性能原子力潜水艦「シーバット」に乗り込むための偽装工作だったのだ。 ところが海江田は、シーバットに核ミサイルを搭載し、アメリカの指揮下を離れて一人深海へと消えてしまう―。 【注目ポイント】 キャラクターの性別改変は、「原作の設定を現代にアップデートする」という理由から行われる場合もある。その代表例がこの『沈黙の艦隊』だろう。 原作は、1988年から1996年まで連載されたかわぐちかいじの同名漫画。監督は『ハケンアニメ!』(2022)の吉野耕平が務める。 本作で性別が変わっているのは、水川あさみ演じる潜水艦たつなみの副艦長、速水貴子だ。この役、原作では速水健次という精悍な顔つきの男性になっている。 なお水川は、「女性にも観ていただけるような目線を作れたら」とコメント。原作のかわぐちも、「現代の物語であると力を持ってアピールできていました」と太鼓判を押している。 とはいえ、映画サイトを見ると、全員がこのキャスティングにもろ手を挙げているわけではない。やはり、ファン全員が納得できる改変はいつの時代も難しいようだ。 (文・編集部)
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