阪神・岡田監督、守備重視〝岡田野球〟で1点差守り抜く 「この日以上に巨人は必死でくる」…望むところよ
(セ・リーグ、阪神1-0巨人、24回戦、阪神12勝11敗1分、22日、甲子園)一度きりの好機をモノにして、守り切る。これぞ、岡田野球。王者の勝ち方だ。首位巨人との天王山。わずか1得点で逃げ切り、もぎ取った渾身(こんしん)の白星を阪神・岡田監督は冷静に振り返った。 【写真】大城卓を中飛に打ち取り、雄たけびをあげる阪神・才木浩人 「いやいや、もう、だから六回に無死満塁しのいだからね。それはやっぱり、こういうゲーム展開(1-0)になると思ったけどな。おーん。こっちはほんとワンチャンスやった。あの回(三回)だけよ、はっきり言うてね」 難敵・菅野相手に得点圏まで走者を進めたのは三回のみ。近本がつなぎ、選手会長の中野が値千金の一打を放った。先発の才木は初回から再三のピンチを背負った。六回は無死満塁。それでも、粘った。最後の一本を許さなかった。 スコアボードにゼロを並べてつかんだ薄氷の勝利。1-0での勝利は今季7度目で、後半戦に入ってからは初めてだった。もちろん、後半戦に入って打撃陣が好調なことはその要因の一つ。ただ、岡田野球の本質は1点差を守り勝つ野球だ。広い本拠地・甲子園。その地の利を生かす。昨年、日本一に輝いた戦い方で、大事な天王山の初戦を取れたことは大きい。 内容だけ見れば、才木より菅野の方が上だったかもしれない。「でも向こうもそら勝ちにきてるわけやからさ。負けてあっぱれはないやろ、それはやっぱり」。局面はすでに最終盤。逆転優勝が現実味を帯びてきたいま、勝つことがすべてを物語る。 「明日(23日)は明日よ。(巨人は)きょうよりも、もっと必死でくると思うから」 岡田監督は勝ってかぶとの緒を締めた。まだ道半ば。見えてきた2年連続の頂きに立つまで、その手綱を緩めることはない。(原田遼太郎)