映画「ビリギャル」の舞台 名古屋のロケ地をぶらり
1日に公開となった映画『ビリギャル』は、成績学年ビリの主人公・さやか(有村架純)がひとりの塾講師(伊藤淳史)と出会い、“慶應大学現役合格”に挑戦する姿を描いた作品。実話を元にした小説「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を映画化した。公開初日と2日目を対象とした「ぴあ映画初日満足度ランキング」では1位を獲得するなど、学生を中心に共感を呼んでいる。撮影は、原作のモデルとなったビリギャル本人の出身地である名古屋で冬に約1週間をかけ行われ、市内各地の「なじみの場所」が多数登場する。今回は主なロケ地を紹介したい。
プリンセス大通りや庄内川なじみの場所がいっぱい
東宝の森さんによると、「ロケでは原作のモデルとなったご本人が、方言指導として撮影に参加されていました。有村さんに名古屋弁の指導をするだけではなく、当時の自身の心情を話すなどして、よりリアルに演じられるようにアドバイスする場面もありましたよ」と様子を語ってくれた。 ロケが行われたのはどこも名古屋人にとっておなじみの場所。主人公・さやかと友人たちの遊び場として撮影された「プリンセス大通り」は、名古屋の中心地・栄にある飲食店街だ。通りに隣接する丸栄百貨店は、ギャル御用達のアパレルショップも集まる。モデルとなった本人も、プリンセス大通りにあるカラオケ店などによく足を運んでいたそう。 また、受験会場として撮影された「名古屋市公会堂」は、桜の名所である鶴舞公園の一角にあるイベントホール。昭和5年に開館し、現在は名古屋市都市景観重要建築物に指定されている。主人公を演じる有村架純さんらが訪れて大ヒット祈願を行った「上野天満宮」は、学問の神さまである菅原道真公をお祀りする神社。市民からも受験の祈願などで訪れる地として親しまれている。他にも、「庄内川」や「オアシス21」でもロケが行われた。
受験を通して描かれる、大人とこどもの成長の物語
同映画は大学受験に奮起するストーリーだけあり、主に学生の観客が多いが、さやかと関わる大人たちとの絆もこの映画の見どころ。 「この物語は家族の物語でもあります。吉田羊さん演じる母親の深い愛情を感じたり、田中哲司さん演じる父親とは、確執を乗り越えて家族の結びつきが再生していく様子が描かれています。また、生徒の可能性を信じ続ける塾講師との師弟愛も必見です」とは前述の森さん。 中学入学以来まったく勉強をしなかったさやかが受験勉強に奮闘し、周囲の意識をも変えていく姿は、同年代の子をもつ保護者にも心揺さぶられるものがあるだろう。なお、映画は全国東宝系にて公開中。映画を見てから、ロケ地めぐりをするのも一興だ。