【冷えは老けの原因にも】「エネルギー不足型冷え症」タイプの原因&養生法を解説
「冷えは万病のもと」といわれるように、たかが冷え性と思って放置すると体の不調だけでなく“老け”につながってしまう。今回は、「エネルギー不足型」の冷え性の原因と養生について解説! 【冷え性診断】あなたの冷えはどこから?
教えてくれたのは…櫻井大典さん
漢方コンサルタント 国際中医相談員。アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。漢方相談処「成城漢方たまり」では年間5000件以上のカウンセリングをこなし、さまざまな人の体質に合わせた養生法をアドバイスしている。近著に「やる気1%から始める やせる養生」。実践しやすい養生法を発信しているXのフォロワーは18.1万人。
【エネルギー不足型冷え症】の特徴と養生法
・全身が冷える ・疲れやすく元気がない ・寝ても疲れが取れない ・下痢と軟便を繰り返す ・風邪をひきやすい ・むくみやすい ・だらだら汗をかく 櫻井さん エネルギーすなわち陽気不足ようきぶそくなのがこのタイプ。原因は、働きすぎなどによる疲れによってエネルギーを消耗して温める力が弱くなってしまうことにあります。そもそも休んでいなかったり、寝ても疲れが取れなかったりする人は要注意です。特徴としては、全身まんべんなく冷えていることが多く、胃腸が弱く下痢や軟便を繰り返したり、頻尿だったりもします。 水分代謝がスムーズではないので、むくみが気になる方も多いですね。
エネルギー不足型冷え症の養生法
10分でも早く寝る 櫻井さん 疲労でエネルギーを消耗している陽気不足ようきぶそくの方にまずおすすめしたいのが、10分でも早く寝ること。理想をいえば10時には就寝してほしいですが、現代人の生活ではなかなか難しいもの。いつもよりも少しでも早く寝ることを意識してください。また、休む時間をスケジュールに組み込むのもいいでしょう。何もしない日、何もしない時間をつくって、体をしっかりと休めてください。
体温より温度の低い食材はなるべく避ける
櫻井さん 体の中は腸内細菌が活発に活動しやすく、消化酵素が働きやすい38℃前後になっています。38℃(体温)より低いものを口にすると、体内の温度が下がり、これを戻すためにエネルギーを余計に消耗します。エネルギー不足で冷えている方は、体温より温度の低いアイスや生もの(刺身など)、生野菜、スムージーはなるべく避けるのが無難です。絶対に口にしてはいけないわけでなく、ときどき食べる際は、温かい飲み物を飲むなどして冷やしすぎないことを意識しましょう。
エネルギー不足型冷え性におすすめの食材
「元気を補う、補気の力を持つ食材」 白米、モチ米、とうもろこし、イモ類、黒砂糖、ソラマメ、大豆、豆腐・湯葉、栗、松の実、カボチャ、インゲン豆、ニンジン、しいたけ、マッシュルーム、サクランボ、パイナップル、ブドウ、桃、イカ、エビ、タイ、牛肉、鶏肉、シカ肉、鴨肉、ウズラの卵、鶏卵 など 「温めに役立つ補陽の力を持つ食材」 なた豆、栗、くるみ、ニラ、エビ、羊肉、シカ肉 イラスト/pai 取材・文・構成/剱持百香 Edited by 剱持 百香
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