明石商・下山峻平選手(2年) 「文武両道」でナイン鼓舞 集中力生かし“検定9冠”目指す /兵庫
<センバツ2020> 今春のセンバツに出場する明石商野球部では、1、2年生の部員計70人が日夜、練習や勉学に励んでいる。中でも仲間の尊敬を集めているのが、商業関係の検定合格数でチーム最多の4を誇る下山峻平選手(2年)=商業科=だ。卒業までに取得可能な9検定の完全制覇を狙う下山選手は「センバツでは全力でチームに貢献したい」と「文武両道」でナインを鼓舞する。【韓光勲】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 明石商には国際会計科と商業科があり、生徒約840人が学ぶ。体育に力を入れる商業科の「スポーツ科学コース」に所属する野球部員も多いが、下山選手は「キャリアアップコース」で簿記や情報処理を学んでいる。これまでに簿記1級▽情報処理1級▽商業経済1級▽電卓1級――の四つの検定に合格した。 尼崎市出身の下山選手は小学3年の時に野球を始めた。中学時代は硬式のヤングリーグ「尼崎園田フレンズ」に所属し、「日本一を目指すチームに入りたい」と明石商の門をたたいた。 明石商で厳しい練習を続ける一方、「将来の選択肢を増やしたい」と勉強に励む。練習が終わって尼崎市の自宅に着くのは午後10時を過ぎ、自習の時間は限られる。そのため、授業中に理解するよう努めているという。 1、2年時に「財務会計」などの授業を担当した空山佳世教諭は「下山君は授業中にポイントをきちんと理解してくれる。素直な性格で吸収も早い。これからも成績を維持して文武両道で頑張って」と応援する。 公益財団法人「全国商業高等学校協会」が主催する検定試験は全部で9種類。残るは五つだ。最近は英語検定(全商英検)にターゲットを定め、通学時の電車内で1日30個を目標に英単語を暗記しているという。 下山選手は「大学は経済学部や商学部に進みたい。メンバー入りと勉強との両立を目指して頑張りたい」と意気込む。野球で培った集中力を生かせば「検定9冠」も夢ではない。 〔神戸版〕