「御絵伝」着こなし布教 パーカ製作、いつでも法話 県西部の真宗大谷派住職団体
●親鸞聖人の一生描いた掛け軸 浄土真宗の宗祖親鸞聖人の一生を絵で描いた「御絵伝(ごえでん)」を広めようと、県西部の真宗大谷派の寺住職でつくる「四幅(しふく)の会」のメンバーが御絵伝をパーカにした。門徒の目に触れる機会の少ない御絵伝を普段の生活に取り入れ、身近な存在として認知度を高める。会員らはファッション感覚あふれるおしゃれな「御絵伝パーカ」を着て中東など国内外で布教に努めている。 御絵伝は、9歳で出家した親鸞聖人の生涯が綴られている。法然上人との出会いや、専修念仏の禁止による越後への配流、90歳の生涯を閉じてから大谷廟(びょう)堂が建てられ、多くの門徒が参詣する様子などが四幅の掛け軸で描かれている。 御絵伝パーカを作ったのは、高岡市二番町の真宗大谷派大泉寺の釣章子住職。砺波、南砺市の住職有志でつくる「四幅の会」に昨年から加わり、広報部長として布教活動を行っており、クリエーターほりたみわさん=小矢部市=と連携し、御絵伝の一幅と四幅部分をパーカに転写した。袖部分などには緑黄赤白紫の仏旗の色をあしらった。 ●報恩講の時のみ 寺関係者によると、御絵伝の絵解き法話は江戸中期以降に盛んに行われていたが、明治時代に衰退、現在は報恩講の時に四幅の掛け軸が掛けられる程度という。この現状を憂い、御絵伝の意義を再興しようと、2018年に結成した四幅の会の釣住職らは、関心を高めてもらおうと、御絵伝パーカを製作した。 パーカにすることで、簡単に着て出掛けられるようになった。釣住職らは寺以外の日常生活でも着ており、買い物などの際に出会った門徒らに手軽に絵解き法話を行っているという。 ●ドバイで出展 四幅の会メンバーで真宗大谷派光圓寺の市川峻住職=砺波市野村島=らとともに、11月10~12日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイのブルジュパークで開催された日本文化の祭典「ジャパン・カルチャー・コン」にも出展。「外から内に攻める」(市川住職)としてドバイで御絵伝パーカを用いて布教活動も行った。 釣住職は「素晴らしい御絵伝を多くの人に見てもらいたい」と意欲を見せた。