<センバツここに注目>小園健太のアドバイス胸に 市和歌山・米田天翼の直球 選抜高校野球
3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会。球春到来の舞台で、活躍が期待される投打の注目選手を担当記者が紹介します。3回目は市和歌山の米田天翼(つばさ、2年)。プロ入りした先輩から背番号1を受け継ぎ、真のエースの姿を思い描いています。 【32校に春の便り 球児たちの歓喜を写真で】 ◇「上背がないことを逆に生かそう」 最速149キロの直球に7種の変化球を操る本格派だ。ドラフト1位指名された先輩の教えを胸に、大舞台で雪辱を期す。 昨秋の和歌山県下新人戦準決勝で和歌山商に2―3で逆転負け。投球が弱気になったと反省していたところ、練習場に来ていた前エースの小園健太(DeNA)に声を掛けられた。「持っている力を思い切り出したら、打たれることはない」。持ち味は直球と胸に刻み、近畿大会は2試合を一人で投げ抜いた。 同じ右腕の小園には、疑問に思うことがあるたびに教えを請うてきた。この冬習得したシュートのほか、カットボールやツーシームは直接手ほどきを受けるなど、背中を追い続けてきた。一方で、身長は小園の185センチに対し、175センチ。「上背がないことを逆に生かそう」と昨秋以降、フォームの改良に取り組んだ。より重心を落として左足を踏み出す幅を広くし、リリースポイントも極力前にすることで、低い軌道から浮かび上がる球筋を目指している。 昨春のセンバツは明豊(大分)に敗れた2回戦で、小園に代わって先発。4回1失点と試合を作ったが、甘い直球をとらえられた本塁打は今も脳裏に残る。「真ん中に(ストライクを)取りに行ってしまった。直球に自信を持って、もっと腕を振れていれば」。受け継いだ背番号1の重みをかみしめながら「全イニング無失点。それがエースだと思う」と、1年ぶりの甲子園を見据えている。【野村和史】 ◇よねだ・つばさ 大阪府出身。中学時代は硬式の貝塚シニアに所属。兄・航輝さん(龍谷大)も市和歌山OBで、2019年センバツで8強入りした時の主将。右投げ右打ち。 <次回は13日朝、大島の大野稼頭央投手(2年)を公開する予定です>