船井電機の前社長側、親会社の民事再生法適用を申請
破産手続き中のAV機器メーカー「船井電機」(大阪府大東市)の前社長側が、親会社「FUNAI GROUP」(旧船井電機・ホールディングス)について、8日付で民事再生法の適用を東京地裁に申請した。前社長の代理人弁護士が9日、明らかにした。
申請したのは出版会社「秀和システム」(東京)で、船井電機の前社長上田智一氏(51)が秀和の社長を務めている。FUNAIを巡っては、船井電機が昨年11月13日付で破産を東京地裁に申し立てている。
秀和の申立書では、FUNAIはグループ全体では支払い不能や債務超過ではないとし、破産による清算ではなく、組織のスリム化や新規事業の推進などで再建を目指すべきだとしている。弁護士は「親会社の再生を通し、船井電機を再生させたい」と話した。
弁護士は、上田氏が社長退任直前の昨年9月、船井電機の経営権を1円で東京の企業に譲渡していたことも明らかにした。譲渡契約では上田氏や秀和などの債務約100億円を企業側が引き取る内容だったのに現在まで履行されていないという。上田氏は9日、譲渡先の関係者ら5人について詐欺容疑での告訴状を大阪府警に提出した。
また、脱毛サロンの売却を巡り、昨年4月に船井電機・ホールディングスから約2億円のアドバイザリー料をだまし取ったとして、当時の船井電機の取締役について詐欺容疑での告発状を府警に提出した。