脳波でゲーム操作!? しかも3人協力プレイ! ブレインピック2024
本人は今回もそのつもりだったと言うが、直前になって形勢が逆転。牛場教授や助教の岩間さんの熱烈なオファーもあり、たけちゃんもついにプレイヤーとしての参加が決まった。
そして今回、特筆すべきはなんと言っても"3人プレイ"にある。1人のアバターを3人の意思を連携させて動かす。後から聞いた話によると、3人のうち2人の意思が一致していれば、アバターはその意に連動して動くらしい。 まさに助け合い、これぞ究極のユニバーサル。
そんなわけで、初めてプレイするたけちゃんチーム。惜しくも優勝とはならなかったものの、会場を大いに沸かせてくれた。 そして何より、言語の壁を乗り越え国境をも越えて、その多くをノンバーバルコミュニケーションと世界の共通言語である「スマイル」で楽しむ仲間たちを見ていると、より一層技術の進歩を感じずにはいられない。
それでも、MCを任されたからには場内に集いし全員に伝わる手法で、メンバー(ePARAユナイテッド)の魅力を伝えるのが私の役目の一つ。
本番中にも関わらず、英語で通訳をしていた女性にこっそり私の話の通訳もお願いしたのは、ここだけの話。英語を勉強する前に守りに入ってしまったのも、ひょっとしてDF(ディフェンダー)の性なのか。
こうして白熱した戦いは、ご覧のように【Team F】が24秒という圧倒的なタイムを叩き出して優勝。会場からは大きな拍手が送られた。
そして、これも天からの試練か、それともご褒美か。
(こうしたイベントでは極めて珍しい)スムーズな進行により生じた"逆アディショナルタイム"。
そこで、最後は我がユナイテッドの面々が団結し、まるで優勝争いに絡むことができなかった悔しさを晴らすかのように日頃の連携を披露し、MCアフロの進行のピンチをカバーした。(このチームでよかった!)
今大会も盛会のうちに幕を閉じました。
まとめ
若い時からもっと英語にふれておけば、留学生の皆さんともう少し対話ができたのではないか。そんな個人的な反省はひとまず棚に上げて、プレイヤーからの切実な声と己の気づきを1つだけ。 初めてプレイしたたけちゃんは一言、「自分がこれでいいのか分からなかった」と苦笑いを浮かべていた。もちろんプレイヤーになれた喜びはあったと思われるが、初体験だからこその素直な感想。 次いで昨夏に新メンバーとして加入したもえは、胸から下の力が入らず体幹が効かずに手も握りづらいといった特性を持つ、(それでいて)ボッチャの日本チャンピオン。 そんな明朗快活な彼女もまた、「アバターに指令が伝わった時には首元(に付けた電極に)電気信号が流れるといい」と新たな工夫を提案。その真意をまとめると、次のとおり。 「(特に先天的な障害特性によって)自力で歩いた経験がなく、その想像が難しい、あるいは分からない人でも、(正しい脳波が出ていることを確認できるように)時に痛みや振動によって自らの感覚に訴えるような形で電気信号が流れたら、もっと分かりやすくなるし、容易に想像しやすくなる」 「自分の想像でアバターが動いている」ことが実感できる。それが何よりのやりがいとなりモチベーションにつながる。まさに、体験したからこその切実な声である。 最後に、所属先からの派遣という形で参加した敦也は技術の進歩に敬意を示しつつ、「今後も継続してブラッシュアップを続けることで色々な可能性が広がると思う」と、やはり未来を見据えた。 ともに戦況を見守った筆者(アフロ)としても、3人プレイをより有意義にする案を提示したい。「各々が左右、そして直進を方向別に担当」するというものだ。その上で、もえの言うような電気信号の使用、あるいは視覚化をすることができたらどうだろう。 今後の発展が楽しみでならない。