大谷翔平ボンズ弾!右中間最深部に特大12号!ロバーツ監督「あそこはバリーのテリトリー」
◆米大リーグ ジャイアンツ2―10ドジャース(14日・米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク) 【動画】大谷の12号ホームラン ドジャース・大谷翔平投手(29)が14日(日本時間15日)、「2番・DH」で敵地ジャイアンツ戦にフル出場。日本人初の「スプラッシュヒット」まであとわずかという特大の12号先制ソロを放つなど3安打2打点。“ボンズの庭”でサイクル安打にリーチをかける猛打を見せた。 フェンスオーバーを大谷は確信していた。あとは着弾点だけだった。「打った瞬間(場外まで)いくかなと思ったんですけど」。0―0の4回先頭。ウィンの初球、88・7マイル(約143キロ)スライダーを完璧に捉えた。5隻のボートが待つ海に向かって伸びていく。 オラクルパークでは最近2年で最長の飛距離446フィート(約136メートル)。右中間最深部だったため、球場内の通路に落ち、日本人初の“スプラッシュヒット”とはならなかったが、自身6試合ぶりの12号先制ソロでリーグトップに並んだ。ベンチでは水しぶきを思わせる“スプラッシュポーズ”を披露した。 同球場では初アーチ。日本人最多をさらに更新する25球場目のホームランとなった。「歴史的な球場というか、個人的にすごい好きですし、バリー・ボンズ選手がいっぱい打ってる映像をずっと見てきたので、プレーできて良かった」。そのボンズ氏は13日(同14日)のカード初戦から来場中。直接会う機会はなかったようだが、驚いたに違いない。ロバーツ監督も「あそこはバリーのテリトリー。誰でも打てる場所ではない」と目を見張った。 同じ左の長距離砲。現代最強の大谷にとっても、メジャー歴代最多762本塁打を誇る伝説の打者は憧れの存在だ。「(全盛期は)今よりも日米ですごく差があった時期だと思うので。本当に洗練されたパワーヒッターのイメージ。かっこいいなと思って見てました」。かつての“ボンズの庭”で、放物線をかけた。 5回には中前打、7回無死三塁では左翼線へ適時二塁打を放ち、今季7度目の猛打賞。5年ぶり2度目のサイクル安打にリーチをかけた9回は二ゴロに倒れたが、腰の張りから復帰2戦目で大暴れした。打率、本塁打などリーグ9冠。「(スプラッシュヒットにならず)残念でしたけど、またチャンスがあれば頑張りたい」。オラクルパークでは15日も含め今季残り4試合。次こそ海に打ち込む。(中村 晃大) ▼スプラッシュヒット オラクルパークの右翼場外のマッコビー湾に飛び込む本塁打は「スプラッシュヒット」と呼ばれ、ボートに乗った人たちがホームランボールに群がる光景は名物となっている。過去に165本が記録されているが、正式認定されるのはジャイアンツの選手が放った103本。右翼ポール際には「SPLASH HIT」メーターがあり「103」と表示されている。今季は他球団も含めてジ軍のベイリーがマークした1本だけ。 ◆バリー・ボンズ(Barry Bonds)1964年7月24日、米カリフォルニア州生まれ。59歳。86年にパイレーツでメジャーデビューし、走攻守で活躍。3割30本30盗塁を3度、3割40本塁打40盗塁を1度マーク。ジャイアンツ移籍後の2000年前後から急激にマッチョ化し、本塁打も増加。通算762本塁打、シーズン73本塁打はMLB歴代1位。史上唯一の500本500盗塁も達成も、薬物使用疑惑により野球殿堂には選出されていない。左投左打。
報知新聞社