クルーズ船「状況改善したと聞いた」 感染対策の不備指摘動画を削除した神戸大・岩田教授
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内での新型コロナウイルス対策に不備があるなどと指摘する動画をインターネット上で公開した感染症専門医の岩田健太郎・神戸大教授が20日午前、日本外国特派員協会で記者会見を行った。岩田教授は動画を今朝取り下げた理由について、「動画はとても多く再生された。昨日(19日)、船内の状況が著しく改善されたと聞いた。また、私が懸念していた(感染可能性が高い箇所と安全箇所の)ゾーン分けも前進した」と説明した。 【ノーカット動画】クルーズ船の感染対策不備を指摘 神戸大・岩田教授が会見 会見で岩田教授は「あくまで個人的な見解であり、大学を代表した考えではない」と前置きした上で「クルーズ船内での感染防止策が不十分だった」と改めて訴えた。動画は日本語版と英語版があり、海外有力メディアの多くが19日のニュースで岩田教授の問題提起を取り上げていた。 動画内で岩田教授は、18日に災害派遣医療チーム(DMAT)と一緒にクルーズ船に一時乗船したと発言。船内では、ウイルス感染の危険性がある場所と、安全な場所を区別しておらず、「どこにウイルスがいるかわからない状態だった」と指摘していた。 岩田教授は動画の中で、マスクをつけていない乗員がいたり、発熱の症状が出ている人が自分の部屋から出て医務室に行くこともあった、などとも言及していた。 動画内で同教授は「今、私がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症の正式名称)ウイルスの感染を起こしても全く不思議ではない」などと話し、周囲から隔離された部屋にいるという。このため、岩田教授はインターネット電話で会見した。