「AIコーディング」ツールの米新興Cursorがa16z主導で90億円調達
複雑なタスクを自動化
■複雑なタスクを自動化 それを実現したのがCursorだ。同社は、新しいタイプのコードエディタ(エンジニアがコードを書いたり修正することができるアプリケーション)を構築している。同社のマイケル・トゥルエルCEOは、これを「プログラマー向けのGoogleドキュメント」と呼んでいる。このコードエディタは、OpenAIのGPT-4やAnthropic(アンソロピック)のClaude(クロード)のような大規模言語モデルの上に構築されたAIモデルが組み込まれており、コードの一部を自動的に予測、記述、編集することができる。 Cursorのソフトウェアは、AIスタートアップのエンジニアたちの間で広く普及している。OpenAIのエンジニアで、GPTモデル上に製品を構築するスタートアップと協業しているシャマール・アナドカットは、バグ修正やプロトタイプの構築にCursorを使用しているという。 「新しいアプリケーションを導入した際に生じるコールドスタート問題の克服において、Cursorは大きな変革をもたらした」と彼は言う。 トゥルエルを始めとする創業メンバーは、ChatGPTがローンチされる前の2020年から、OpenAIでAIの進化を観察してきており、この分野の成長性をよく理解していたという。彼らは、AIモデルが進化する中、複雑なタスクの自動化を実現するマイクロソフトのGitHub Copilotが成功するのを目の当たりにし、AIコーディング企業の設立を思い立った。「GitHub Copilotはベーパーウェアでなく、ウェイトリストもなく、実際に役立つ最初のAI製品だった」と彼は言う。 Cursorが目指すのは、エンジニアにとって面倒な作業の95%を自動化し、コーディングの創造的な側面にもっと時間を割けるようにするツールを開発することだ。「今日優秀なチームが構築しているシステムよりもはるかに複雑なものを、一人のエンジニアがつくれるようになる日が近く到来するだろう」と彼は語った。
Rashi Shrivastava