若者増やす目標の高知県 初の検討会 「地元への愛着大切」「既存の枠超えた対策を」
高知県は17日、県内の若年人口を増やす方策を探る検討会の初会合を高知市で開いた。県が人口減少脱却へ目標値を定めたことを受け、人口動態や少子化対策の専門家が参加。県外流出や出生数低下が進む要因を分析し、若い女性を増やす施策の方向性を10月中旬に取りまとめる予定だ。 県は3月に2024~27年度の取り組みをまとめた「元気な未来創造戦略」を策定。若い女性の働く場の確保や男性の育児休業の取得率向上などに取り組み、(1)27年度の出生数4200人(23年度は3380人)(2)人口の社会増(同1801人減)(3)婚姻件数2500組(22年2189組)--などを目指している。 同県の34歳以下の人口は、20年までの10年間で20%減少している。22年の出生数は全国最少の3721人だった。浜田省司知事は「若年人口を4、5年で増加へ反転させなければ、未来への希望を持ってもらえない。複合的な取り組みが必要。どんなアプローチが必要か忌憚(きたん)のない意見を求めたい」と述べた。 国立社会保障・人口問題研究所の守泉理恵氏は「少子化の背景には、経済の移り変わりが早く、将来の見通しがつきづらいことへの不安がある。これまでの少子化対策の枠を超えた対策が必要」と指摘。慶応大学の飯盛義徳教授は「子どもの頃から県への愛着や関心を高めることで、(県外に出ても)将来戻って何かをしたいと思う母数が増えるのでは」と述べた。
日本農業新聞