世界初!「減塩スプーン」開発 なぜビール大手の「キリン」が?
今回のテーマは、「“異端児”が世界を変える!~世界初!キリンの“減塩食器”~」。 ニッポン人が抱える大きな健康課題が、塩分の取りすぎ。高血圧のリスクが高まるとされ、脳梗塞や心筋梗塞など、さまざまな疾患を引き起こす可能性が指摘されている。 そうした中、ビール大手「キリンホールディングス」が開発するのが、世界初の研究技術を活かした「減塩スプーン」だ。なぜ今、「減塩」しかも「食器」なのか? 前代未聞の挑戦を追った。 【動画】世界初の研究技術を活かした「減塩スプーン」
「キリン」が開発する“電気の食器” 世界初の機能を持つ「エレキソルト」とは?
東京・中野区に本社を構える「キリンホールディングス」(従業員約3万人、売上高2兆円)。始まりは1907年。家庭用に販売したラガービールが、特に戦後は長きにわたりシェアが6割を超え、ビールと言えば「キリン」と言われてきた。 その後はライバルの追随もあり、ビール業界では、長年熾烈なシェア争いが繰り広げられている。 磯崎功典社長は、「1994年がピークで、日本のビール業界はマイナスに入ってきている。一度もプラスがない。全体のボリュームが下がっている中でシェアを取り合うのは消耗戦。シェアにはもうこだわらない。利益や金額にはこだわるが、数量で争うのはナンセンス」と話す。
変化を迫られたビール事業で、シェア争いから脱却を図ろうとしている「キリン」。 磯崎社長は、10年間飲み続けているという「キリン」が作ったサプリメントを見せてくれた。 「キリン」は、免疫機能を活性化する「プラズマ乳酸菌」が入った健康食品をシリーズで販売。その売り上げは200億円を超えている。ヘルスサイエンス事業の売り上げは全体から見れば約5%だが、将来を見据えた重要な新規事業だという。 磯崎社長は、「とにかく変わろうとチャレンジする、失敗を恐れない会社だと。ビールと飲料で一つ、医薬事業、ヘルスサイエンスで3分の1ずつが私としては理想」と話す。
アルコール事業とは無縁…研究一筋!「新規事業をするためにキリンに入社した」
この日行われていたのは、「キリン」の新規事業チームが集まったグループ会議。 2017年から始まった「キリン ビジネスチャレンジ」は、社員からアイデアを募集して支援する制度で、健康関連の商品が次々と生まれている。