エルメス、24年上半期も増収増益 やや減速しつつも2ケタ成長を維持
同氏はまた、アナリスト向けの説明会で中国市場について言及。「(景気が減速している中国の)消費者は、高品質な“本物”を求めている。また、必ずしもブランドロゴが付いていなくてもいいという消費者も増えており、いずれも『エルメス』にとってプラス要因だ」と説明した。
ラグジュアリー企業は軒並み苦戦 “王者”LVMHも減益に
ラグジュアリー需要の正常化、引き続く地政学上の先行き不透明感、そして中国市場の停滞などにより、ラグジュアリーブランドは軒並み苦戦している。これまで“絶対王者”として増収増益を重ねてきたLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)も、24年上半期の決算は売上高が同1.3%減(現地通貨ベースでは2%増)の416億7700万ユーロ(約6兆5849億円)、営業利益は同8.1%減の106億2400万ユーロ(約1兆6785億円)、純利益は同14.3%減の72億6700万ユーロ(約1兆1481億円)と減益に。
「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を擁するケリング(KERING)の24年上半期決算は、売上高が同11.0%減の90億1800万ユーロ(約1兆4248億円)、営業利益は同42.2%減の15億8200万ユーロ(約2499億円)、純利益は同49.1%減の9億4000万ユーロ(約1485億円)と大幅な減収減益だった。
これらを踏まえると、今期も増収増益だったエルメスの強さが際立つ。しかし、23年上半期の同22.3%増収、22年上半期の同29.3%増収と比べると減速気味であることは否めないだろう。
LVMHやケリングの競合であり、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)は3月決算のため、24年上半期の決算を発表するのは11月初旬の予定。