米風力発電需要、大統領選結果関係なく拡大へ=業界首脳
Jacob Gronholt-Pedersen [コペンハーゲン 5日 ロイター] - 米大統領選で民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領のどちらが勝っても、同国の風力発電需要は拡大する――。洋上風力発電事業世界最大手オーステッドと、世界最大の風力タービンメーカーのベスタスの首脳が5日、相次いでこうした見方を示した。 ハリス氏は、バイデン政権が推進するエネルギー移行の一環として洋上風力発電を積極的に提唱。一方でトランプ氏は返り咲きを果たした場合、大統領就任初日に洋上風力発電プロジェクトの撤回を命令すると宣言している。風力タービンは環境を破壊し、鳥やクジラなどの生物に弊害をもたらすとの理由からだ。 また米国の洋上風力発電業界はまだ誕生間もない段階で、複数のプロジェクト中止や事業区域リース入札延期、初の大型施設建設事業における事故といった逆風に見舞われている。 それでもオーステッドのマッズ・ニッパー最高経営責任者(CEO)は「多くの企業と州では、さまざまな業界のリショアリングやハイテク産業からの需要が増加している」とし、だれが大統領になろうと全てのエネルギー源が必要とされ、利害関係者全員が恩恵を受けられるとの認識を示した。 ベスタスのヘンリク・アンダーセンCEOも、大統領選を巡る投資家の懸念を重大視せず「選挙結果で受注が左右されるとは考えていない」と強調した。 その上で、データセンター向けの新たなグリーンエネルギーは現時点で全般的な需要が供給を上回っていると説明した。 ただオーステッドは、米国の大型洋上風力発電プロジェクトについて建設面の問題やコスト増大が生じていると警告した。