鉄棒から手を離してしまう蘇維徳。競技後は反省と謝罪の弁を繰り返した。(C)REUTERS/AFLO

　オリンピックの歴史に刻まれるだろう“劇的な逆転劇”だった。 　現地７月29日、パリ五輪・体操男子団体が開催され、日本代表が２大会ぶりの頂点に立った。最終種目の鉄棒を前にして首位・中国との差は3.267点と開いていたが、中国は２番手の蘇維徳が２度も鉄棒から落下する痛恨のミス。これでトップに躍り出た日本は直後に橋本大樹が申し分ないパフォーマンスを披露し、しっかり逃げ切った。 【画像】シュミット、ビロディド、ギュネシュ、古賀紗理那…パリ五輪に華を添える美女アスリートを一挙紹介！ 　まさかのどんでん返しに直面し、悲嘆に暮れた中国代表の選手たち。ニュースメディア『捜狐体育』は彼らの沈痛なコメントを伝えた。 　結果的にメダルの色を決めるミスを犯してしまった蘇維徳は、「自分にとって途轍もなく大きな教訓となりました。本当に申し訳ない。怪我を乗り越えて大変な努力をしてきた先輩たちの姿を見てきただけに、自分のミスのせいで金メダルを獲れなかった。申し訳なく思います」と反省の弁を繰り返し、涙を拭った。 　 　28歳の肖若騰は「現実が受け入れられません。３年前（東京五輪は銅メダル）もダメで、今回もあと少しのところで金メダルは消え去った。十分に値するチームだと思うだけに、いまは悔しさでいっぱいです」と肩を落とした。 　そしてエースの張博恒は「最後の最後で力を出し切れなかったのが敗因。金メダルを獲る実力はありましたが、土壇場で問題が生じてしまった。僕たち全員が失望しています」と想いを明かし、「まだ競技は続きます。個人（総合）と種目別でひとつでも多くの金メダルをもたらしたい」と前を向いた。 構成●THE DIGEST編集部