中国がパラオに台湾との断交求め圧力 外交部「協力を継続していく」
(台北中央社)中華民国(台湾)と外交関係を結ぶ太平洋の島国パラオが、中国から経済的支援と引き換えに台湾との断交を求められていることが15日、分かった。米シンクタンクの研究員がX(旧ツイッター)で、パラオのウィップス大統領が米上院議員に宛てた書簡を公開した。外交部(外務省)は同日、パラオと引き続き連携、協力し、インド太平洋地域の平和と安定、繁栄を共に促進していく立場を示した。 書簡は米シンクタンク、民主主義防衛財団のクレオ・パスカル研究員がXに投稿した。書簡の日付は2月9日で、宛先の米上院議員の氏名の部分は黒で塗りつぶされた。パラオと米国の間で昨年更新された自由連合盟約(COFA)の財政援助予算に関し、米議会での早期可決を求める内容で、ウィップス氏は、可決が遅れれば遅れるほど、パラオの一部の親中派の人は中国からの一見魅力的な経済的提案を受け入れ、「その代償は同盟のシフトとなり、台湾を犠牲にすることから始まる」と言及。中国からすでに、パラオの観光客向け宿泊施設を「全て満室」にし、ホテルをさらに建てればそれも満室にするなどの提案があったことを明らかにした。 外交部は、米国とCOFAの盟約国間の協議と関連の支援金の手続きに対して「尊重する」と表明した上で、小さな島国が直面する中国からの経済的威圧の苦難をウィップス氏が具体的に示したことに触れ、台湾はこれを自分のことのように捉え、パラオに引き続き具体的な援助を提供していくとした。 また、ウィップス氏が2021年の就任以来、国際社会の場で何度も台湾への支持を表明していたことや、先月の総統選終了後には当選した頼清徳(らいせいとく)副総統とリモート会談し、両国の外交関係が安定的で今後も発展していく考えを示したことを紹介した。 (游凱翔/編集:名切千絵)