イケア新作速報!日本人デザイナーが手がけた「ニティルヴェルカード」コレクション第5弾
2024年8月に発売される“ニティルヴェルカード”の第5弾が、「ミラノデザインウィーク2024」で披露された。「イケア」の80周年を記念する本コレクションで今回フォーカスされたのは、ロングセラーのソファ“クリッパン(KLIPPAN)”とアームチェア“ポエング(POÄNG)”だ。共に、「イケア」初の日本人専属デザイナーだった中村昇(1938-2023)が、オリジナルのデザインと、リメイクを担当した。
発売から40年以上のロングセラーをリメイク
“ニティルヴェルカード”は、「イケア」が1943年の創業以来培ってきたデザインの歴史に敬意を示したコレクション。2023年7月に発売された第1弾を皮切りに、過去のアイコニックなプロダクトを新鮮なカラーと素材で現代的に蘇らせてきた。 第5弾では、1980年に誕生したソファ“クリッパン”と、1977年に当初“POEM”として発売され、後に“ポエング”として新たにリリースされたアームチェアを取り上げた。40年以上もの間愛されてきた名作が、鮮やかなカラーと現代のライフスタイルにふさわしい機能をまとって生まれ変わる。
デザイナーは中村昇
中村昇は、スウェーデンのカールマルムステン木工技術学校と王立美術工芸大学で学び、1975年に「イケア」に入社。初の日本人専属デザイナーとして、プロダクトデベロッパーのラーズ・エングマンと協働しながら、顧客のニーズを満たすべく、シンプルで機能的なデザインを追求していった。こうした中で生まれたのが、“クリッパン”と“ポエング”だった。 “ニティルヴェルカード”コレクションでは、中村自身がこのアイコニックなプロダクトを見直し、そこに新たな息を吹き込んだ。
80年代のポジティブな空気をまとって
1970年代が終わりを迎える頃、「若い家族にとって使いやすいような頑丈なソファ」のデザインを求められた中村は、子どもによる使用に耐える強度とソフトなコーナー、取り外し・洗濯可能なカバー、そして手頃な価格を必要条件と考えた。 起点となったのは、既に中村が手がけていた“LAPPMON”というソファ。そこから不要と思われる要素を取り去り、さらにカバーの付け替えを考慮してソファの幅を18センチ狭めた。これにより、全体のサイズが縮小し、効率的な輸送が可能に。結果として、価格を下げ、素材の量も減らすことにも成功した。 1980年に初登場した“クリッパン”は、そのシンプルな外観と機能性が次第に話題を呼び、今でも愛され続けている。今回のリニューアルでは、1984年に発売されたクッション性のある張り地を採用。当時の雰囲気を彷彿とさせるレッド、ブルー、イエローの原色で彩った。