料理人スパレッティが作り上げた新生イタリア代表!伝統的10番不在から生まれた上質な改革…“MFたちのアッズーリ”を伊紙記者が絶賛 | UEFAネーションズリーグ
【欧州・海外サッカー ニュース】ルチアーノ・スパレッティ監督率いるイタリア代表は、日本時間15日に行われたUEFAネーションズリーグ(UNL)のリーグAグループ2第5節でベルギーに1-0と勝利してファイナルステージ進出を決め、賛辞を受けた。 【動画】トナーリが代表初ゴール!イタリアがウノゼロ勝利で準々決勝進出!
失意のEURO2024ベスト16敗退から再起を目指し、UNLへと臨んだイタリア。9月に行われたフランスとの初戦では、ディディエ・デシャンのチームを相手に強豪対決を制して白星発進に成功すると、グループ2第5節を終えて無敗のまま、勝ち点「13」を獲得し、ファイナルステージ進出&FIFAワールドカップ(W杯)2026欧州予選のポット1の権利を獲得した。 そんなスパレッティ率いるアッズーリについて、イタリア紙『La Gazzetta dello sport』が特集。ルイジ・ガルランド記者が「流動性のあるポジショニングと運動量、献身性。ゴールは(サンドロ)トナーリが解決した。ベルギーにおいて、スター選手ではなく、ハートで勝利した代表は気に入った。スパレッティは素晴らしい」などと絶賛している。 スパレッティは、ベルギー戦において、中盤にダヴィデ・フラッテージ、代表デビューとなったニコロ・ロヴェッラ、そしてトナーリを起用した一方で、攻撃のセンスを持つニコロ・バレッラをトップ下に抜てきする采配を見せた。同紙の記者は「ベルギーで勝ちに行った”MFたちの代表”は、何と素晴らしいことか。イタリアはハードワークを土台とするチームだ」と評した。
10番不足を補った”トップ下のバレッラ”
またアッズーリの指揮官を「腕の良いシェフ」と称賛。「スパレッティは(ロベルト)バッジョや(ジャンフランコ)ゾラ、(フランチェスコ)トッティや(アレッサンドロ)デル・ピエロといった伝統的な10番を重宝したはずだが、そんな素質のあるトップ下の選手は長らくいない。そこで彼は新たな10番を生み出した」とつづってバレッラのトップ下起用に注目した。 「それは(ロレンツォ)ペッレグリーニや(ジャコモ)ラスパドーリではなく、ニコロ・バレッラだった。最終ラインの手前で奮闘し、ボール奪取をして成長してきた小さな戦士だ」と強調。そしてその背後を「走行距離を記録できる3人の戦闘員」で固めたことについて「上質な改革だ」と絶賛した。「腕の良いシェフとは、このように貯蔵室を開いて使える材料を検討し、最良の料理を作り出すものだ」と称賛を続けた。 イタリア紙の記者が指摘する通り、「現在、イタリアのカルチョは中盤において最大限の表現をしている」のであり、「ハートと運動量のある選手たち」がいる。かつてのように「ショーウィンドウに並べる10番や9番」はいないが、「料理人スパレッティが“MFたちの代表”を料理した」のだった。ガルランド記者は「4人のMFがポジションや役割を入れ替えながらローテーションし、相手のマークをかわす」スタイルこそ、「スパレッティの新生イタリアの本物の魂だ」と主張している。 かつてのオランダ代表のように「全員が攻撃して全員が守るトータルフットボール」を体現したアッズーリ。イタリア人記者は最後に、「われわれは愛すべき代表を再発見した。(テニスのヤニック)シナーのような純粋な才能はいないが、チームが一丸となって勝利をつかむ姿を目にしたことは素晴らしかった」とベルギー戦を総括して締めくくった。 なお、スパレッティ率いるイタリア代表は、日本時間18日のUNLリーグAのグループ2最終節において、首位通過を懸けてフランスとホームでの対戦に望む。 試合情報 イタリア vs フランス : リーグAグループ2 第6節 試合時間:2024年11月18日(月)日本時間4:45 会場:スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サンシーロ)
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