大けがを負ったとは思えない立ち振る舞いで募金を呼びかける小林＝大阪市中央区

歌手で俳優、小林旭（85）が9月半ばに転倒して肋骨（ろっこつ）不全骨折、仙骨圧迫骨折の重傷を負っていたことが24日、分かった。この日、大阪市内で行われた能登半島復興支援の募金活動に参加し、自ら告白。不死身のマイトガイは「元気なら能登だろうと輪島だろうと走り回るのはなんともないけど、今は腰が痛ぇ」と豪快に笑いながら募金を呼び掛けた。 ダイナマイトのように強烈な男が、まさかの大けがに見舞われていた。 小林によると、重傷を負ったのは9月中旬。自宅の2階から足を踏み外し、「11段転がり落っこちて3回転。無意識に受け身を取ってたけど、アバラに2本ばかりヒビが入って、座骨をおかしくした」と説明。その後も約20キロの水が入った容器を持ち上げようとした際に取っ手が外れ、「後ろにひっくり返って仙骨を圧迫骨折」したという。 整形外科医からは「治すにはセメントで固める」「注射を打つ」などと提案されたというが、「とんでもねぇことばっか言うんでね。そんなことされたら動きがとれなくなるから『冷やして湿布貼って治しますよ』って。今も胴巻き（コルセット）したまんま。1カ月もたったら治るかと思ったけど、長引いてるね」と笑い飛ばした。 そんな状態でも大阪入りしたのは、募金を主導する石川・七尾市出身で「大阪かに源」道頓堀店を営む武田源氏と知り合い、趣旨に賛同したから。能登には映画のロケで訪れたことがあり、「昔からの家屋が多いから被害も大きいわね。天災はどうしようもない。手を出して止められるもんじゃない。ただ、そのあとを見ると遅々として（復興が）進んでないんだよ。困ってる連中を助ける手伝いをしないと」と立ち上がった。 今回、新幹線に2時間以上乗車したことで腰の痛みは増したが「70年間の芸能生活、皆さんの夢を背負って今日までやってきた人生の責任があるから、それは果たさなきゃならない。幸い、医者は『バケモンみたいに健康ですね』って」とニヤリ。25日には大阪・新歌舞伎座で「Pre70周年コンサート」を開催するが「1時間以上、30曲のショーをやりますよ」と、マイトガイ健在をアピールした。