芸歴22年目・LLR「芸人を続けるモチベーションになった『THE SECOND』」
◇この先どうなるのかなんてわかんない ――『M-1』の出場資格を失ってから『THE SECOND』が始まるまでの期間、賞レースに代わる目標など、お二人が芸人を続けてこれた理由はありましたか? 福田:なかったですね。芸人みんなそうだと思うんですけど、寄席だけ出てるみたいになって目指すものがなくなると、やる気も出ないし、新ネタ作ることもサボっちゃうんですよ。ネタやって帰るだけ、みたいな。 ――では、新たに目標ができたということは大きかった。 福田:やりがいはありますよね。ネタをやるのも作るのも好きなんですけど、目標がないと作る気になれなかったので。 ――そもそも、お二人が芸人になったときは、どんな芸人になりたいと思っていましたか? 福田:どうなるかなんて、まったく想像してなかったです(笑)。 伊藤:そうですね。僕らは二人とも、あんまり先のことを考えるタイプじゃないんで。 福田:それに、僕らがNSCに入った頃はテレビしかなかったんです。だから、「売れる=テレビに出る」ってことなんだろうなって。でも、テレビの出方もわからなくて。今だったら『M-1』で決勝に行けば、とかありますけど、それもなかったし。売れるって、なんなんだろうと。 伊藤:そうですね。だから、とりあえずライブに出て、勝ったら次の場所に出れるっていうのを繰り返してました。とにかく目先のことに必死でした。 福田:でも、劇場のトップになったからって売れるわけじゃなくて。それに僕らの10年くらい先輩って、ほとんど辞めてるんですよ。だから、何を目指していいのかわからなくて、何年後にこうなりたいとかは全然考えられなかったですね。 ――それでも20年以上、舞台に立ち続けてきたのはなぜですか? 福田:なんでしょうね(笑)。でも、この先もどうなるかなんてわからないですよ。若いお客さんからしたら、ジジイの漫才なんておもしろくねえだろうなって。大阪みたいに漫才を伝統芸能にできたらいいですけど、東京では難しいし。 伊藤:そうですね。それこそオジさんばっかり出てる『THE SECOND』って、僕が高校生だったら、“おもしろくねえ”と思っちゃいそう(笑)。だから、見てくれてる人がいっぱいいることが不思議なんですよ。 福田:本当に不思議な世界になってきてます。こんなふうになるなんて想像がつかなかったし、この先もどうなるのかなんてわかんないですよ。 ――だからこそ、目先の目標として『THE SECOND』があるというのは大きいんですね。次は「ノックアウトステージ32→16」となりますが、改めて意気込みをお願いします。 福田:まず対戦するのがダブルアートなんです。同じ吉本ですけど大阪だし、芸歴も離れてるんで……申し訳ないですけど、正直あんまりわかんないんですよ。どうなるんですかね? 伊藤:でも、そんなこと言ってたら、対戦前に沼津の劇場で一緒の出番になっちゃって、ネタ見れちゃうんですよ(笑)。まあ、当日は先攻だから余計なこと考えなくていいので気楽です。シンプルにどうなるのか楽しみです。 福田:結局、こういう対決形式って、自分たちがどんなにウケても、相手がそれよりウケたら負けちゃうんで、自分たちのネタどうこうじゃなくて、相手がウケないことを願うだけなんです(笑)。 ――そういう意味では、先攻でしかもトップバッターでできるというのは、お二人にとってベストだったんですか? 福田:どうなんですかね。でも、昔からこういうトーナメント形式のバトルはめっちゃやってきたんですけど、後攻のほうがどう考えても有利なんですよ。後攻でウケれば先攻の印象を消せるんで。でも、そのぶん、気楽に肩の力を抜いてできそうです。 (取材:梅山 織愛)
NewsCrunch編集部