【Q&A】「緊急事態宣言」って何?
新型コロナウイルスの感染が拡大しています。各国が「緊急事態」を宣言したり、一部地域に強制力がある外出禁止令が出されたりするなか、日本でも政府による「緊急事態宣言」が出されるかが焦点となっています。そもそも「緊急事態宣言」はどのような場合に出され、宣言が出されると市民生活はどう変わるのでしょうか? 【中継録画】東京都・小池知事が定例会見(2020年4月3日)
Q:いま取り沙汰されている「緊急事態宣言」って何?
改正新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)に基づく宣言で、安倍晋三首相が出します。宣言を出す際には、(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある――の2要素が認められる必要があります。
Q:なぜ新型コロナウイルスに対処するのに、法律の名前は「新型インフルエンザ」なの?
もともとこの特措法は新型インフルエンザのまん延防止のために2012年に成立しました。感染症対策の特措法として新型コロナウイルスにも適応できるとの判断から今年3月に改正され、新型コロナウイルスも特措法の対象に入りました。
Q:なぜ宣言が注目されているの?
宣言は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する目的で出されます。一方、国民の自由(私権)を制限することにつながるため、宣言を出すか否かについては慎重であるべきとの声もあります。この特措法に基づいた「緊急事態宣言」はこれまで出されたことはありません。
Q:具体的にはどんなことが制限されるの?
宣言にあたり、安倍首相は対象地域や期間(延長含めて最長3年)を指定します。対象となった都道府県の知事は、住民に対して外出自粛を要請したり、学校、映画館、劇場、音楽ホールや人が集まる施設の使用を制限したり、仮設病院を設置するために土地を収用したりできようになります。ただ今回の改正特措法は、政令で2021年1月末までが適用期間とされました。
Q:北海道の鈴木直知事が2月28日に「緊急事態宣言」を出しました。安倍首相が出す可能性があるものとは違うのでしょうか?
鈴木知事の宣言には法的根拠がなく、あくまで道民に対する知事の呼び掛け・お願いです。特措法の下で安倍首相が出す可能性がある宣言とは全く異なります。