知られざるNo.1雑誌「ハルメク」あなたの心を狙い撃ちする㊙️戦略と“次なる展開”
今回のテーマは、「あなたの心を狙い撃ち!~雑誌『ハルメク』驚きの実力~」。 メインターゲットの50代以上の女性を中心に絶大な人気を誇る雑誌「ハルメク」。書店では買えない定期購読のみの月刊誌ながら、発行部数46万部と日本一売れる女性誌だ(漫画を除く)。さらにカタログ通販なども手掛け、読者と一緒にオリジナル商品も開発している。 この時代に、ターゲット世代の心をがっちりつかむ驚きの手法に密着。「ハルメク」の強さと、“狙い撃ち”戦略の全貌に迫った。 【動画】「ハルメク」編集長・山岡さんが仕掛ける“次なる展開”とは?
ターゲット世代をがっちりつかむ、雑誌「ハルメク」驚きの手法
雑誌「ハルメク」は、月1回、自宅に直接届システムで、書店では売られていない。インターネットやスマホの普及で紙媒体の雑誌の発行部数が激減する中、逆に「ハルメク」の発行部数は右肩上がりだ。 東京・神田神保町にある株式会社「ハルメク」本社。売上高は287億円で、去年、東証グロース市場に上場した。その屋台骨を支えるのが、雑誌「ハルメク」編集部だ。女性を中心に、12人の部員が活躍している。
編集長の山岡朝子さん(49)は、「(読者は)50代からスタートして、メインは60代、70代。“ハルメク世代”と呼んでいて、その世代の方が何に悩んでいるかを調べて、特集や連載を当てていく」と話す。 例えば美容の特集では、ハルメク世代が特に気にするほうれい線やたるみを改善する方法を具体的に紹介。またスマホの操作に関する特集では、「タップはポン」など、読者に寄り添った分かりやすい記事が読者の心をつかんでいる。
編集部員のほとんどが40代、50代でシニア層ではないものの、編集部に届くご意見はがきを参考にし、みんなが心の中に仮想の読者像“ハルコさん”を持っているという。 「編集部には、読者から毎月2000枚のご意見はがきが届く。それを読み続けていると、この年代の人はこういうことに関心があるんだとか、編集部員の中に蓄積されていくので、“65歳のハルコさん像”がより具体的になっていく」(山岡さん)。