甘栗香るクラフトビール 捨てていた皮を原料に 安曇野ブルワリーが販売
安曇野ブルワリーが商品化
安曇野市穂高のクラフトビール醸造所「安曇野ブルワリー」が、甘栗の鬼皮(おにかわ)と渋皮を原料としたクラフトビール「甘栗チョコポーター」を商品化し、11日発売した。甘栗の栽培・加工を手がける初崎製作所(宮田村)から原料を調達。甘味や渋味の後に、ホップの爽やかさと苦味を感じる仕上がりとなった。 【写真】「甘栗チョコポーター」の発売は「安曇野ブルワリー」
チョコレート原料、カカオニブも
砕いた鬼皮と渋皮を焙煎(ばいせん)し、栗の繊細な香りを引き出した。バレンタインデー(14日)を意識し、チョコレートの原料となるカカオニブも入れた。1本330ミリリットルで税込み720円。安曇野ブルワリーのEC(電子商取引)サイトや店舗で限定約600本を販売する。
甘栗栽培・加工会社が提供
初崎製作所は精密部品製造が主力で、2013年に甘栗の栽培事業を開始。甘栗を原料とした茶の開発・販売を手がけており、食べられない鬼皮と渋皮は廃棄していた。活用を模索する中、栗を使ったビールを検討していた安曇野ブルワリーと目的が一致。昨年末から商品開発を進めていた。 11日、安曇野ブルワリー併設のパブの開業2周年を記念したパーティーで披露した。安曇野ブルワリー醸造担当の三浦季久さん(60)は取材に「さらっと飲みやすい口当たり。反響があれば生産の継続を考えたい」とアピール。初崎製作所の初崎哲也社長(52)は「持続可能な農業を実現し、商品の付加価値を高める」と話していた。