【オーストラリア】23年4Qの破産者数、企業関連が27%超に拡大
オーストラリアで2023年第4四半期(10~12月)の全破産者のうち、企業関連の割合が731人と全体の27.3%に拡大していることが、連邦政府機関、オーストラリア金融保障局(AFSA)の調べで分かった。ただ、前年同期から企業経営者の破産が12.4%増加しているものの、新型コロナウイルスの感染流行前の水準を下回っているという。 AFSAによれば、昨年同期に破産者が最多だった州はニューサウスウェールズ州で759人だった。 企業が破綻してから、6~18カ月後に個人が破産することが一般的。昨年第4四半期の場合、コロナ禍後に破綻した企業の経営者が破産状態に入る時期に一致しているという。 破産・事業再生専門会社ジャーシュ・サザーランドでパートナーを務めるマルコム・ハウエル氏は、経営者は企業が負担できない債務の保証契約を結ばされることが多いとし、今後も経営者の破産が増えていくと述べた。破綻企業の経営者は、ノンバンクなどからの債務負担要求にさらされているだけでなく、オーストラリア国税局(ATO)から未払いとなっている破綻企業の法人税の督促を受けることになる。