埼玉県で女性1名「はしか」感染…不特定多数と接触した可能性も
埼玉県は2024年11月1日、県内において今年8例目の麻しん患者の発生を確認したと発表した。10月19日と22日に不特定多数の人が利用する施設への滞在歴が判明したことから、注意を呼び掛けている。 【画像】麻しんの発生状況(感染症発生動向調査)
埼玉県内で発生した麻しん(はしか)患者は、麻しん予防接種歴のない40歳代の女性。発症日は10月19日。おもな症状は発熱、咳、コプリック斑、発疹としている。
女性患者の施設の利用状況を調査したところ、発症日の10月19日午後4時~6時ごろにイトーヨーカドー草加店の地下1階食料品売場および、10月22日の午前6時~午前10時に快活CLUB草加店への滞在歴が判明。移動は自家用車を利用していたため、公共交通機関等の利用はなかった。
麻しんは、感染力が極めて強く、免疫のない人が感染すると、年齢を問わずほとんどが発病すると言われる感染症。10日から12日の潜伏期間を経て、38度程度の発熱、風邪のような症状(咳や鼻水など)が現れ、2~3日間続いたあと、39度以上の高熱となり、体中に赤い発疹が出現する。
埼玉県は今回、麻しん患者が不特定多数の人と接触した可能性が否定できないため、万全を期す観点から広く情報を提供。特にワクチン未接種の人は、麻しん患者が利用した時間帯から21日以内に、発熱、発疹等、麻しんを疑う症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診するよう呼び掛けている。また受診する際には、医療機関への事前連絡およびマスク着用の徹底に加え、周囲に感染を拡げないよう公共交通機関の利用を避けるようお願いしている。
なお、麻しんウイルスの空気中での生存期間は2時間以下とされており、現時点で麻しん患者が利用した施設を利用しても心配はないという。
リセマム 川端珠紀