フランス総選挙、より大きな混乱回避する唯一可能な選択-マクロン氏
(ブルームバーグ): フランスのマクロン大統領は、国民議会(下院、定数577)を解散し、総選挙を実施する決断を行ったことについて、欧州議会選で中道の与党連合が大敗したことを考慮し、さらに大きな混乱のリスクを回避する狙いがあったとあらためて説明した。
マクロン大統領は「フランス国民宛ての書簡」を仏各紙に掲載し、何より国益のために決断したと主張。「欧州議会選でのあなた方の投票結果を受け入れ、既に今ある混乱とこれから起きるであろうより大きな混乱に対処する唯一可能な選択だった」と訴えた。
2027年5月の任期満了まで大統領を辞任するつもりはないとマクロン氏は再確認した。
マクロン大統領は国民に宛てた書簡の中で、年内の政権退陣を野党が画策しており、年間予算の議会通過が必要な時期に「わが国が危機に陥りかねない」という理由で、今選挙を行うことを選んだと明らかにした。
マクロン氏は「私は民主主義の病理を自覚している。国民と国を動かす人々との間に存在するこの溝をわれわれは埋められずにきた」としながらも、自らの運動こそが「極右と極左」に対する最良の防壁だと強調した。
今月投票が終了した欧州議会選では、マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右政党・国民連合(RN)が31.4%の票を得て圧勝し、与党連合の得票率は14.6%にとどまった。
国民議会選は今月30日の第1回投票を経て、7月7日に決選投票が実施される。第1回投票での有権者の投票意向に関する最近数日の世論調査結果によると、RNが最も優勢で、左派連合がこれに続き、マクロン氏の与党連合は3位と苦戦している。
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原題:Macron Says Election Decision Aimed to Avoid Disarray in Autumn(抜粋)
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Ania Nussbaum