トランプ氏、クリスマスに「領土的野心」露骨化…グリーンランド・カナダに注目
最近パナマ運河統制権の返還を要求したトランプ次期米大統領が25日(現地時間)、パナマで米国政府を代表する大使を指名した。また、デンマークの自治領グリーンランドに対する支配欲とカナダに対する米国51州目編入論に改めて言及した。ただの言葉だけでなく膨張主義の属性が表れた「米国優先主義」に基づく意図的な挑発という評価が出ている。 ◆「運河葛藤」パナマに忠誠派大使を指名 トランプ氏はこの日、ソーシャルメディアで「ケビン・マリノ・カブレラ氏が運河で我々から通航料をふんだくっているパナマの駐在米国大使を引き受けることになる」とし「彼はパナマで米国の利益を代弁する素晴らしい仕事をするだろう」と伝えた。共和党全国委員会(RNC)政策綱領委員のカブレラ氏は、親トランプ系シンクタンク米国優先政策研究所(AFPI)のフロリダ支部事務局長を務める「MAGA(Make America Great Again、米国を偉大に)忠誠派」人物だ。 トランプ氏は最近、米国が100余年前に莫大な資金を投入して運河を建設したが手数料をふんだくっているとし、パナマ運河を間違った手に渡るよう放置してはいけないと述べた。そして「寛大な寄付原則が守られなければ、パナマ運河を完全に米国に返還することを要求するだろう」と主張した。トランプ氏の発言の意図は運河通航料引き下げを誘導したり中南米のインフラへの影響力拡大を図る中国を牽制するためのものという分析が出ている。トランプ氏はクリスマスのこの日、別の投稿で「パナマ運河を心を込めて、しかし不法に運営する中国の軍人にもメリークリスマス」とした。 ◆NYT「米国優先主義に膨張主義的要素」 ただ、パナマ運河には米国の経済的利害関係と国家安保利害関係が絡んでいて、トランプ氏の言葉を単なる修辞で済ませることはできないと、米ニューヨークタイムズ(NYT)は指摘した。NYTの外交安保専門記者デビッド・サンガー氏は「パナマ運河とグリーンランドを統制しようとするトランプ氏の望み-今度は冗談でない」と題した記事で「トランプ氏が話す米国優先主義の哲学には膨張主義的な要素があることを傍証する」と指摘した。米国の利益のためなら他国の領土もターゲットになるということだ。 最近「米国はグリーンランドに対する支配権が必要だ」と述べたトランプ氏はこの日、また所有欲を露骨化した。トランプ氏はクリスマスのメッセージで「米国が国家安保目的で必要とし、米国がそこにいることを望むグリーンランドの人たちにもメリークリスマス」と伝えた。トランプ氏は23日、「米国の国家安保と全世界の自由のために米国のグリーンランド所有・支配が必要だ」とし、ケン・ハウリー元駐スウェーデン大使を駐デンマーク大使に指名した。 人口5万6000人、面積2166平方キロメートルで、オーストラリアを除いて世界で最も大きい島のグリーンランドは、北極圏と大西洋をつなぐ軍事戦略的重要度が高く、レアアース(希土類)など未開発天然資源が豊富と伝えられている。トランプ氏が駐デンマーク大使指名と共にグリーンランド支配欲を表すと、デンマーク国防省は翌日、グリーンランド防衛費増額を発表した。トランプ氏は1期目の2019年にもグリーンランドをデンマークから購入しようと主張したが、デンマークはもちろん国際社会の強い反発にあった。 ◆トランプ氏「カナダ、米国の51番目の州になれば…」 トランプ氏はカナダに対する野心も繰り返し表明した。トランプ氏はSNSで「カナダのトルドー首相にもメリークリスマス」とし「彼の国民はあまりにも多くの税金を出すが、カナダが我々の51番目の州になれば税金が60%以上削減され、企業規模はすぐに2倍になるはずで、世界のどの国より軍事的保護を受けることになるだろう」と主張した。またカナダの伝説的なアイスホッケー選手ウェイン・グレツキーに会ったとし、「私は彼に『なぜカナダ首相に出馬しないのか。この席はまもなくカナダ州知事として知られることになるだろう。あなたは簡単に勝利できるはず』と話した」と伝えた。 一方、バイデン大統領はこの日、X(旧ツイッター)にクリスマスのメッセージを投稿し、「大統領として最後にすべての米国国民にクリスマスのあいさつすることになり光栄だ」とし「今日、そして常に、わが国のための私の希望は、私たちがずっと自由と愛、親切と憐憫、尊厳と品位の光を追求すること」と伝えた。