そこの不法投棄、人工衛星が見てますよ 広島県が不自然な地表変化を検知へ
広島県は2024年度、人工衛星を活用して産業廃棄物の不法投棄を監視するシステムの本格的な運用を始める。無料で入手できる衛星の観測データを分析し、地表面の変化を検知する仕組み。不法投棄の早期発見につなげる。 【イラスト】人工衛星による不法投棄監視システムの仕組み 利用するのは、地表面に照射した電波の跳ね返りを捉える「合成開口レーダー(SAR)」を搭載した人工衛星の観測データ。10日おきに記録される対象エリアのデータを県の監視システムが分析し、不法投棄とみられる地表面の不自然な変化を検出する。SARを活用した不法投棄の監視は国内初という。 県によると、10トン以上の産業廃棄物の不法投棄は22年度に1件も確認されなかったが、16年度は2件で計3425トンが見つかるなど年によって変動が大きい。小規模な不法投棄は毎年把握しているという。 県は21年度、デジタル技術を使った不法投棄の監視方法の提案を募集。民間事業者がシステムを運営する実証試験を繰り返し、一定の精度が確認された。
中国新聞社