「光る君へ」道兼の“汚れ役”の意味が変わった理由 玉置玲央、ヴィランに当初不安も「これをやるのか」
返り血を浴びた道兼の顔を見て自分でも「“怖っ”て思った」という玉置。初回放送後の反響について「良くも悪くもこんなにいろんな反響があると思っていなかった」と言い、「心強かったのが共演者、スタッフの皆さんがものすごく肯定してくださったこと。このままヘイト役、ヒール、ヴィランをきちんと全うしようと思えました。だから14回で父上(兼家)に『とっとと死ね!』と暴言を吐くシーンも、気負わず“親父に暴言を吐ける。ヤッター!”って思いながら演じた節はあります(笑)」と不安が消えていった過程を振り返る。
ヴィランからスタートした道兼だが、父・兼家(段田安則)にちやは殺害を知られてからは、父の野心のため“汚れ役”を一手に引き受けることに。兼家は嫡男・道隆(井浦新)や三男の道長ばかりをかわいがり、父の愛を得ようと尽くす道兼の悲哀が色濃くなり、視聴者の声もヘイトから同情へと変わっていった。その道兼が第14回で後継者に嫡男の道隆を指名した兼家に「父上は正気を失っておられる。父上の今日あるは私の働きがあってこそ」「この老いぼれが、とっとと死ね!」と怒りを爆発させた。玉置は、これが道兼にとって1つのターニングポイントだったと指摘する。 「道兼は父のため、出世のためと罪を犯しながら働いてきた中で、ずっと自我を押し殺してきたと思うんです。そんな彼が、最も信奉していた父に対してあの言葉を吐けたというのは彼の人生においてすごく意味のあることだったのではないか。あの時点から、徐々に自分に嘘をつかないようになっている気がしていて。父親に暴言を吐いたこと、そして道長に救ってもらったことが、彼の中ではものすごく大きなターニングポイントになっているような気がします」
これまで疎んでいた道長に救われる展開となったのが、14日放送の第15回「おごれる者たち」。父の死後、喪に服さず妻にも三下り半を突き付けられ自暴自棄になった道兼を、道長は「まだこれからではありませぬか。兄上は変われます。変わって生き抜いてください。この道長がお支え致します」と励ます。玉置は本シーンを以下のように振り返る。