90年代ヒップホップ、Y2Kファッション…時代が悪くなればなるほど、Z世代は「ノスタルジア」を求める傾向に?
Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。 12月8日(金)のテーマは、「Z世代の97パーセントが『ノスタルジア』を感じる理由」。「NY Future Lab」のメンバーが、Z世代にとって懐かしさを感じる時代や、印象に残っている年について語り合いました。
◆ノスタルジアを感じるものがZ世代に人気
2023年もあとわずか。前回、ラボメンバーは今年のベストアニメについて語りました。今回は映画の話になる予定でしたが、思わぬ形で「ノスタルジア」の話題に。Z世代は、いつ頃を“過ぎ去った時代”として懐かしむのでしょうか? ミクア:新しいものは何も観ていない。昔に観ていたものをまた見ているだけ。あと、ハロウィンのときはNetflixにたくさんの古いホラー映画が追加されたから、それをたくさん観たよ。ノスタルジックな気分に浸りながら。 メアリー:昨日、ヒカル(夫)と「スーパーマリオ」の映画を観たよ。 ノエ:それ、僕も2023年の好きな映画だ。 メアリー:よかったけど、もしマリオのファンじゃなかったら好きじゃなかったかも。 ノエ:映画の半分は「マリオカート」とかDS(任天堂の携帯ゲーム機)でのスーパーマリオで遊んだ世代の懐かしさ、ノスタルジアが魅力の一部だったと思う。そういうのをとてもうまく取り入れていたよね。 シェリー:なんかさ、いつも思うけど、みんなノスタルジアの話をよくしているよね。Z世代はまるで“ノスタルジアの世代”みたい。なんでそんなにノスタルジアが大事なんだろう? ノエ:なぜって、今の世界がひどいからだよ。 メアリー:うん。ただ、もっといい時代に戻りたいって思っているだけなんだよね。 シェリー:えっ。それはいつの時代を指しているの? ノエ:2016年かな。 シェリー:なぜ2016年? ミクア:全部の素晴らしいものが、2016年に出た気がするんだよね。特に音楽とか。 シェリー:2016年、君たちは何歳だったの? ノエ:16歳だった。 ミクア:13歳。 新しい作品ではなく、古い作品を楽しむと語るラボメンバーたち。新しい作品のなかでも、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」といった、作品へのノスタルジーをうまく取り入れたものに興味が湧くようです。調査によると、Z世代のおよそ97パーセントがノスタルジアを感じており、15パーセントは未来より過去について考えたいと思っています。 Y2Kファッション、90年代ヒップホップなど、Z世代の支持を集めているものはノスタルジアに紐づいているものが多いです。日本では、80年代の音楽やシティポップが若者に大人気。Z世代評論家のシェリーは「彼らにとって、生まれていない時代を懐かしむ“疑似ノスタルジア”という言葉も出てきています。この世代の特色ですね」と分析しました。