欧州危機再発の懸念、そのリスクを探る 金融アナリスト・久保田博幸
ユーロ安を意識したECBの量的緩和が実施されたなかでのユーロ危機の再来となれば、ユーロが急落する可能性も出てきます。外為市場では、ユーロと日本がそれぞれ中央銀行の金融政策で結果として通貨安政策をとっていることで、どちらの通貨が売られやすくなるのかも要注目です。 過去最低を記録しているユーロ圏の長期金利は今後さらに低下する可能性がありますが、これはいわゆる国債バブルとも言える状況です。もし何らかの原因により、この国債バブルが崩壊した際には、金融市場で大きなショックが走る懸念があります。欧州の国々の長期金利の低下により、日本の長期金利の低下が促されている面もあり、欧州の長期金利低下の流れに変化が生じた際には、日本国債の動向にも影響が出ることが予想されます。