花の寺・有珠善光寺を中心に1年通して「花巡り」…伊達市・あの街行く北海道
日差しに暖かさがにじみ、待ちわびたかのように草花が芽吹く季節。道内でいち早く春を迎える伊達市は、花の見所スポットが多々あり、中でも有珠善光寺は1年を通して様々な花を観賞できる“花の寺”として知られている。 江戸時代の文化元年(1804年)、徳川家斉により蝦夷三官寺の一つとして建てられた歴史ある寺院。境内一帯が国の史跡に指定されており、数々の重要文化財も保有している。境内には樹齢200年を超える桜の巨木が何本もあり、中には巨石を割りながら成長した「石割桜」も。枝垂れ桜や八重桜も見応えがあり、花見シーズンは多くの観光客でにぎわいを見せる。 4月中旬からはカタクリ、5月中旬からはツツジ、7月下旬からは色とりどりのアジサイ…。秋になればイチョウの大木が美しく色づく。また、裏山は自然公園になっており、ここでも桜、ミズナラ、カシワなどの木々や四季折々の花を楽しめる。 善光寺のほかにも、「伊達サイクリングロード」では桜並木、「総合公園だて歴史の杜」ではビオトープも広がり、「大雄寺」ではフジ・桜、「館山公園」ではフジ・桜・ツツジが競うように咲き乱れる。善光寺を中心に、色鮮やかな景色を訪ねる「花巡り」は伊達市の大きな魅力だ。 ▽室蘭方面から 北黄金貝塚(世界遺産北海道・北東北の縄文遺跡群)→だて歴史文化ミュージアム(明治3年の亘理伊達家移住時に持込まれた収蔵品、藍染体験、刀鍛冶見学)→道の駅だて歴史の杜(地場野菜が豊富な道の駅、軽食もあり)→有珠善光寺(本堂の茅葺屋根が特徴的、蝦夷三官寺のうちの一つ)→洞爺湖方面へ ▽洞爺湖方面から 有珠善光寺→まなびの里パークゴルフ場(4コース36ホール、西胆振最大級)→伊達温泉(保温効果が高く、湯冷めしにくい美肌の湯)→だて歴史文化ミュージアム(伊達の歴史や文化を紹介)→大滝三階滝公園(緑と滝の観光名所、バードウォッチングでも有名)→国道453号線へ ◆伊達市 札幌市と函館市の中間に位置し、北西には有珠山や昭和新山、南は内浦湾に面している。1870年に仙台藩一門亘理領主・伊達邦成とその家臣の集団移住で開拓。1925年に村から町、72年に町から市となり、06年には大滝村と飛び地合併した。道内でも雪が少なく、1年を通して気候は温暖。北黄金貝塚など史跡や文化財も多く、大滝区には北湯沢温泉郷がある。人口3万1516人(4月1日現在)。
報知新聞社