古市氏「選挙戦とAIは相性がいいが、“政治とAI”では相性が悪い」生成AIの活用見られた都知事選…今後の活用どうなる?
日テレNEWS NNN
7月7日に投開票日を迎えた東京都知事選では、「AIゆりこ」や「AIあんの」など生成AIを活用した取り組みがありました。生成AIがこれからの選挙にどのような可能性をもたらすか、社会学者の古市 憲寿氏と日本テレビ小栗解説委員長にききました。
双方向な公約の質疑も実現…取り組み例
今回の選挙戦では、小池氏陣営がSNSなどでAIモデルを活用し、本人に変わって政策を説明する「AIゆりこ」が話題となりましたが、さらに進んだAIの活用を行う候補者もいました。 公約を学習させたAIを準備し、関心のあるユーザーが質疑を好きなタイミングで、行う事が出来る取り組みなどが登場しました。 AIエンジニアの安野 貴博氏は、複数の生成AI技術を組み合わせ、選挙期間中、本人に見立てたアバターが、都知事選に関連する自身の考えを24時間回答できるライブ配信を行いました。
また、発明家と知られるドクター・中松氏もChatGPTを用いた「答えマース」を展開していました。
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選挙とAI 今後の関係性は?
森アナ「古市さん、こういった選挙とAIの関係性は今後どうなっていくと考えていますか?」 古市氏「選挙戦とAIは相性がいいと思います。候補者は1人しかいないが、AIを通せばいろいろな人の質問に答えられるためです。 ただ本質的には、“政治とAI”では相性が悪いと思っています。 政治は資源配分の争いであり、49対51みたいな白黒付けるのが難しい問題に対して決めるのが政治家の仕事だと思います。 政治家の仕事は、憲法改正や選択的夫婦別姓など本当に世論も2分しているような問題を決めるという人間くさい仕事です。 それはAIがまだまだ不得意な分野です。 100対0で「こっちがいいですよ」みたいなものはAIが自動的にやっていけば良いと思います。 本当に意見が分かれるものや、そこで対立が起こるようなものは政治家が責任を持って決めるというのが仕事だと思います。 そこはお互いにとって役割分担だと思いますが、本質的な政治とAIの相性の悪さは理解しておいてもいいのかなと思います。 安野さんの公約の進化などがテクノロジーによって支えられていたというのは、すごくスマートだと思います。 ただ一方で投票数が伸び悩んでしまいました。 知名度という点において1ヶ月前は、同じくらいだった安野さんと石丸さんでここまで差がつきました。 選挙という場面では、残念ながら政策よりも人間らしさみたいな要素での戦いの方が(影響が)大きいのかなと思いました」 小栗解説委員長「こういった現象は実は日本だけではなく、イギリスの総選挙でもAI候補というものが出てくるなどしています。 実際に出馬した人は人間なんだけども、当選後に決めていくのはAIの判断によるというものでした。 日本だけじゃ無く世界中で、(生成AIと選挙の活用は)過渡期に来ているのかなと感じます」