気仙地域の椿油で現地雇用を―1カ月3000個売る人気化粧品
一般的に途上国や国内の地方で作られる商品は、良いものがあってもデザイン性とマーケティングが弱いため、うまく流通していないことが多いという。気仙地域の椿油も、地元の人が料理に使ったり、髪や身体に塗ったりするだけで、外に出回ることはなかった 1年がかりで、12年12月1日に気仙椿油を使用した商品、ハンドクリーム「HEAVEN & HEART」を開発、発売した。パッケージデザインはプロに依頼。1個1890円とハンドクリームとしては高価だったが、限定3000個をネットや販売協力してくれた店舗で販売。口コミなどで商品のことが知れ渡り1カ月で完売に至った。石川さん夫婦にも笑顔が戻った 現在は椿油を使った新商品を開発中。今後の課題は椿油を安定的に調達すること。そのために椿を苗木から育てて種を取るまでの作業を組織化し、現地雇用を生み出したいという。 渡邉さんは「将来的には、パッケージング作業や発注業務など、全ての工程を現地の人たちで持続可能に回せるようにしたい。今後は、オーガニック化粧品が進んでいるヨーロッパやアメリカなどへの海外展開も考えています。そちらが落ち着いたら、椿油の産地として観光業も行いたいですね。早く、事業が私たちの手元から地元の人へ離れるように頑張ります」と希望に満ちた声で話した。 (取材協力:READYFOR?)