末広通り商店会プロレスに参加した選手たち

　18日、東京都・新宿三丁目末広通り商店会にて『末広通り商店会プロレスフェスティバル2024 2DAYS』が開催。雨降る金曜日の午前中に大勢の観客が詰めかけた。 　末広通り商店会プロレスフェスティバルとは、末広通り商店会会長の石川国由氏が音頭を取って行っている商店街活性イベントの一環であり、公道にリングを立てて行われる観戦無料のプロレス大会。 　商店会プロレスは令和の世に1990年代のインディープロレスの魂を語り継いでいる現TTTプロレスリング代表のガッツ石島がプロデュースしており、初めてプロレスを見る人を含む老若男女が幅広く楽しめる大会を展開している。 　こうしたコツコツとした活動が評価され、今年9月15日～10月6日には東京都の事業として『演芸とプロレスのエキサイティング笑店会フェスティバル 2024』を実施。お笑いを中心とした演芸＆戦後の日本人を元気付けてきたプロレスを“日本の伝統文化”と位置付け、文化保存運動の一環として行った当イベントは大好評の内に終わった。 　この大成功を受けてか、末広通り商店会は10月18日＆19日の2DAYSで朝からの大会開催をぶち上げ。 　土曜日の19日は分かるとしても、18日は金曜日。しかもこの日の新宿は朝から雨模様。関係者も「平日の朝からやるなんて正気じゃない。この雨の中で一体誰が来るんだ」と不安の声を漏らしていたが、蓋を開けてみれば約300人の観衆が集結。 　コア過ぎるプロレスファンが詰めかけたのかと思われたが、外国人観光客や通りがかりのサラリーマンが足を止めて観戦する姿が多く見られ、意外にもバラエティに富んだ観衆の姿が見られた。

ガッツ石島にダイビングボディプレスを投下した秀警察S.W.A.T

　イケメン揃いのジュニア戦士たちがスピーディな空中戦を見せる第1試合、元大相撲力士の巨漢プロレスラーを相手に小柄な選手たちが相撲勝負を挑んだコミカルな第2試合、“柔術vsプロレス”の異種格闘技戦が行われた第3試合、“ベビーvsヒール”の軍団抗争として場外戦で大暴れしていく刺激的な第4試合とすべて趣の違う試合が展開。 　雨脚が強まっても観客が減ることもなく、熱い盛り上がりの中で大会は終わった。 　プロレスという娯楽はお茶の間のテレビで毎週プロレスが流れていた時代と違い、自ら触れに行こうとしないと一生知らないまま終わってしまうことも多いマイナージャンルになってしまっている。 　そんな中、新宿の街のド真ん中で大衆にプロレスを見せるというこのような大会は、今までプロレスを知らなかった人間が初めて触れるキッカケとなり得る。大手団体が大会場で行うビッグマッチだけではなく、プロレスを世間に広めていくこうした草の根運動にも目を向けていきたい。