通天閣や太陽の塔「大阪モデル」色分け点灯で達成基準を周知 通行人「希望の灯やね」
通天閣や太陽の塔「大阪モデル」色分け点灯で達成基準を周知 通行人「希望の灯やね」
大阪府は11日、新型コロナウイルス対策で実施中の「休業要請」を解除する独自の基準「大阪モデル」の達成状況を3色のライトアップで周知する取り組みを、通天閣(大阪市浪速区)と太陽の塔(大阪府吹田市)で始めた。 【拡大写真】黄色に輝く通天閣の真下から、もずやんの顔を望む=11日午前7時10分ごろ
この「大阪モデル」は、感染経路不明の患者の数、検査の陽性率、重傷者の病床使用率の3つの項目を、休業要請などを解除する基準として設定したもの。
すでに、大阪府公式サイトのトップページで、警戒レベルは「赤」、注意喚起レベルは「黄」、基準内であれば「緑」という3色を信号機に見立てて掲載している。 そして、5日に大阪府庁で行われた「新型コロナウイルス対策本部会議」で、大阪府の吉村洋文知事が「大阪のシンボリックな場所のライトアップで周知するのは」と提案し、通天閣と太陽の塔での色分け点灯周知の実施に至った。また、大阪府岸和田市でも、11日から岸和田城で同様の周知を行う予定としている。
通天閣観光には、大阪府から7日に依頼があり、高井隆光社長は「ライトアップのお願いをいただいたが、言われたことだけやっているのは面白くないので」と、通常は時計を表示しているLED電光表示に、大阪府の公式マスコットキャラクター「もずやん」の泣き顔や笑顔で状況を周知することを逆提案。府もその提案に賛同し、今回の表示に至った。
高井社長は今回の点灯を無償で協力。「今回は普段やらない24時間点灯で周知に協力します。ずっと点灯して電気代とか大丈夫なん?とか言われますけど、いまは国難の時、進んでやっていきます」と意気込みをみせていた。 通天閣からほど近い、天王寺公園(同市天王寺区)を散歩していた同区内の70代男性は「どんな状況かが見えるのはわかりやすくていいし希望の灯やね。ただ、油断は禁物なんで気をつけていきたい」と話していた。
しかし、現在の状況を鑑みて「これは見に来ていただくというわけではなく、マスコミの報道やSNSの写真をみて、現在の状況を知っていただければ」とも話していた。 この点灯は31日までを予定しており、点灯色が変わる場合は、各日午後6時半に行う予定となっている。 また、大阪府は11日午後、府内で新たに新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは1人だったと発表した。