大阪・梅田に誕生する新劇場で「落語会」、笑福亭たま&桂二葉に訊いた見どころ
3月27日、大阪・梅田にオープンする新劇場「SkyシアターMBS」(大阪市北区)。そこで関西ローカルの落語番組『らくごのお時間』(MBS)の放送開始10周年を記念した落語会『らくごのお時間10周年落語会 噺家八景』が、4月29日におこなわれる。 【写真】座席のスペックが高いと早くも注目「SkyシアターMBS」 この劇場でおこなわれる初の落語会で、それぞれ昼公演、夜公演のトップバッターを務めるのが噺家・笑福亭たまと桂二葉。いわば新たな歴史の幕開けを飾る、大役を担う2人に意気込みを訊いた。 ■ トップバッターを飾る二人の目論見は ──お2人は一足先に「SkyシアターMBS」に行かれたそうですね。実際に会場をご覧になって、いかがでしたか? たま:きれいで、めちゃくちゃいい劇場でした。好意的で上品なお客さんが集うやろうなと予想しております。 二葉:確かにいい空気が流れている感じがありますね。明るくて、笑おうっていう気になりそうでした。 ──今回、ネタはたまさんは『源平盛衰記』を、二葉さんは『つる』を披露されますが、劇場をご覧になって、「このネタで正解」という感じはありましたか? たま:いや、それはわからんけどね(笑)。 二葉:私は持ち時間が25分と聞いて、(ネタを)変えたなってきました。 たま:長くやっていいですよと言うてはったけど、今回、桂南光師匠が披露する『らくだ』と立川談春師匠の『文七元結』がムチャクチャ長いし…。あの劇場でトップに出て25分やったらスベるわ(笑)。前まではこういう会では持ち時間を守ることが大事やと思てたけど、それはあってないもんで、普通の落語会と一緒で短いのはかまへん思てます。 二葉:なるほど、時間めいっぱいやるよりも、質がいい方がいいと。気ぃ楽になりました。 たま:だから好きな時間で降りたらいいん違う? 二葉:はい!
「兄さんこわい」…? 気になる楽屋の様子
──昼公演が笑福亭鶴光さん、柳家花緑さん、月亭方正さん、そして二葉さん。夜公演が桂南光さん、立川談春さん、月亭八光さん、たまさん…と、出演者も錚々たる顔ぶれですね。お2人が松井愛(MBSアナウンサー)さんのラジオ番組にご出演された際、たまさんは南光師匠について「怖い」と。お会いすると脂汗が出るとおっしゃっていました。 たま:そら南光師匠に会うと後輩はみんなピリッとしますね。大先輩ですし。それに南光師匠は、即座に人間を見透かす性質があると私個人は思ってまして…。それをラジオで南光師匠に直接言うたら、「君、ようわかってんなぁ」と言われました。この時点で、ちょっと恐かったですけど(笑)。 ──その緊張感はいまだ変わらず。 たま:そうですね。夜公演に出る談春師匠も月亭八光兄さんも、売れてるタレントさんやないですか。タレントさんって、普通の噺家と違って、イマイチ何考えているか、私にはわからへんとこあるんです。昼公演の鶴光師匠はズバズバ本音を言うので別ですけど(笑)。 ──素人目には、八光さんは愛想が良いイメージがありますが。 たま:そうそう、愛想がいいでしょ。それが怖い(笑)。僕らが入門した頃(1998年4月、笑福亭福笑に入門)は、落語界にいても、メディアのタレントさんと接することがなかったんですよ。明石家さんま師匠や桂小枝師匠より後輩で、テレビの有名人になった落語家て長い間いてなかったんですけど、八光兄さんは有名になりましたから。 ──タレントさんの面も立っている落語家さんは何が違うのでしょうか? たま:みなさん、華がありますね。挨拶からして違う。俺の「おはようございます」と八光兄さんの「おはようございます」の違いをやってみよか。まず俺な。おはようございますって言うてみて。 二葉:兄さん、おはようございます。 たま:(あっさりと)ああ、おはようございます~。 二葉:これがたま兄さん。 たま:ほな、八光兄さんやるで。 二葉:兄さん、おはようございます。 たま:(顔をしっかり見た後、満面の笑顔で)おはようございます! 二葉:確かに・・・!(笑)。 たま:タレントさんの挨拶って、こんなんやろ!笑福亭鶴瓶師匠もこんな感じあるやん? 二葉:あります(笑)。 たま:ただ、俺はこれが怖いねん。多くの人はなんて明るくていい人なんだ! と思うねん。ところが落語家ちゅうのはすぐに内面を勘ぐる癖があるから。なんでそんな愛想ええん? 不自然やな・・・普通と違う・・・なんでなん? って思てまうねん。その「なんで」があるから怖いねん。ただ、俺以外誰も八光兄さんを怖がってなかったけどね。 二葉:八光兄さん、全然怖い感じはしないですけどね~。 たま:君はタレントさん気質やからや(笑)。俺は実はみんな怖い! タレント恐怖症。 ──昼公演はどうでしょうか。二葉さんは、方正さん以外はあんまり交流がなくて、鶴光さんにもまだ会ったことないと。 二葉:鶴光師匠にも花緑師匠にもお会いしたことあるけど、ご挨拶ぐらいしかないんです。 ──昼公演の楽屋はどんな感じになるでしょうね。 たま:楽屋は鶴光師匠が一人でしゃべりまくって、ずっと爆笑やわ。 二葉:楽しみです。 たま:楽屋が鶴光独演会! 俺も聞きたい!