HISは「ラグーナ」を再生できるか
■「最も難しいからやる」と澤田会長 6月24日に愛知県内で記者会見に臨んだ澤田会長は「ラグーナはハウステンボスに比べて規模が小さく、施設が中途半端。東京ディズニーランドや三重のナガシマスパーランド、大阪のユニバーサルスタジオなど強力な競合もある」とした上で「最も難しいから、やってみよう」と決断したと明かしました。 再生の具体的な手法は「敷地が狭いから、経費がかからない。プールが有名だが、その1カ月半でしか稼いでいないので、冬や夜も有効に活用できないか」と述べ、主に既存の施設を最大限生かしてテコ入れする方針を示しました。 「ハウステンボスは敷地が広すぎて経費がかかり、ずっと赤字だったが、そのおかげで新しいアトラクションが造れた。欠点は全部裏返したら長所になる。われわれが入るからには最初から黒字にして、全国やアジアから人を呼んで感動させる施設にしたい」と力説した澤田社長。 実際の経営は8月1日に事業を開始する同社の100%子会社「ラグーナテンボス」(巽泰弘社長)が担い、初年度はラグナシアで前年並みの来場者83.7万人を確保、売上高49億円、営業利益1.1億円、経常利益3.6億円を目指すそうです。 ■地元にはなお残る懸念 地域全体ではこれで一安心というわけにはいきません。未利用地の処分の行方はもちろん、地元の観光業関係者は「旅行会社なので、東京や大阪からパック旅行などで人を呼んできてくれるだろう」と期待しつつ、「ラグーナ内にも宿泊施設があり、新しいホテルも計画中だという。将来的に系列のホテルに客をとられてしまえば、周辺の温泉街は厳しくなる」との懸念も示します。 また、ハウステンボスではカジノを含む統合型リゾートへの参入も検討されており、賛否の分かれるこうした議論もかかわってくる可能性があるでしょう。 (関口威人/Newzdrive)