三上博史 寺山修司ワールドで魂の叫び「そこにあるのは肉体、肉声、生音、匂い…生々しいものだけ」
三上博史さんが耽美な世界を繰り広げました。 寺山修司没後40年記念/紀伊國屋ホール開場60年記念公演「『三上博史 歌劇』-私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない―」が1月9日に開幕するにあたり、8日に公開稽古が同劇場にて行われ、三上さんが本番さながらの熱演をみせました。 甘く耽美な世界を展開した三上博史 詩人・劇作家・映画監督など、あらゆる肩書とともに時代を超えて今も愛され、さまざま人に影響を与え続けている稀代のマルチクリエイター・寺山修司氏。 そんな寺山氏に高校1年生のころに見出され、“表現者”としての命を吹き込まれた三上さんが、2015年に上演された「タンゴ・冬の終わりに」以来、8年ぶりに舞台へ立ち、寺山氏が生み出した数々の名作を令和の世へと蘇らせました。 この日、公開された本編で三上さんは真っ赤なドレスを着用した妖艶な姿から、少年のようなハーフパンツにシースルーのセットアップをあわせ、シルバーのウィッグをかぶった独特のスタイルで「かもめ」や「ふしあわせという名の猫」など全17曲を披露。 途中、詩の朗読や芝居をはさみ、幻想的なステージを展開しました。 そして、三上さんから本番を目前に控えたメッセージが届きました。
<三上博史 コメント>
――開幕するにあたっての心境は? どのようなものをやろうか? と机上で思いめぐらせていたときを経て、構成が整い、肉体を通して稽古をし、そして、いよいよ幕が開きます。 みなさんがどんな反応をされるのか? とても恐ろしいですが、好きなようにやらせていただいているだけなので、どんな反応も受け入れるだけですね(笑)。 ――本公演の見どころは? 今回の舞台は、肌感を大事にしています。温度のないものはできるだけ外しました。 そこにあるのは、肉体、肉声、生音、匂い……生々しいものだけです。 それは、寺山さんの言葉の数々が、みなさんに届き、巣食い、居座りやすいようにと、考えた結果です。 ――作品を通して改めて感じた寺山さんの魅力は? その魅力はあまりにも多岐にわたっていて、それぞれが絶妙に絡み合っているので、とてもそれを再現することはできませんが、ボクなりのアプローチで、その入り口ぐらいには、みなさんをお連れすることができたら、と願っています。 ――公演と、アーカイブ配信を楽しみにしているお客様へメッセージを 寺山さんの言葉の群れが飛び交います。 そのワンワードでも、ワンセンテンスでも持ち帰ってもらえましたら、シアワセです。
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