他球団は警戒も…崖っぷち巨人「松原聖弥」は外野レギュラー争いで生き残れるか
熾烈な外野手争いで見えてきたもの
松原の開幕スタメン当落の可否は、こうした評価のせいだけではない。今季の巨人は外野のレギュラー候補が多すぎるのだ。 3月9日のオリックス戦以降、丸佳浩(34)もスタメン出場する機会が多くなってきた。梶谷隆幸(35)も一軍に合流した。一時期、二岡智宏ヘッドコーチ(47)が「開幕2番」での起用を示唆した打撃好調のオコエ瑠偉(26)もファーム落ちさせるほど激しい競争が続いている。3月13、14日の福岡ソフトバンクとの試合前では、萩尾匡也(23)は一塁でのシートノックを受けていた。そんな中、松原は17日の北海道日本ハム戦でタイムリーヒットを放った。首脳陣への大きなアピールになったはずだ。 「14日のソフトバンク戦前のシートノックでした。松原はセンターでノックを受けていましたが、川相昌弘内野守備コーチ(59)が『やり直し』を命じました。バックホーム返球をし、各選手がベンチに上がっていく場面でしたが、松原の返球が少し右に逸れていたんです。捕手が捕れないほどではなかったのですが、この日の松原は三塁返球の場面でも右に逸れていました」(前出・スポーツ紙記者) この外野手のサバイバルレースが過熱している背景は、新外国人選手のルーグネッド・オドーア(30)の参入もある。メジャー通算178発、レンジャーズ時代の16年にキャリアハイとなる33本塁打を放ったが、近年は大きく成績を落としている。10年のメジャーリーグ生活で1045個の三振も記録していて、本職は二塁だ。外野守備の経験は昨季、9試合のみ。そのため当初は「外野で起用するのは難しいのではないか」と悲観的な声のほうが多かった。 「実際、外野を守らせると、試合前にライトのファールゾーンのフェンス位置や、クッションボールの跳ね返る向きとその強さを細かくチェックしています。そうした姿勢を巨人首脳陣も評価しています」(前出・同) 前出のライバル球団スコアラーもこう続ける。 「打撃フォームも少し変えたようです。パワー系の振り回すタイプだとは聞いていましたが、日本ハムとのオープン戦を見た限りではボールに逆らわず、外角球をレフト方向に流そうとしていました。対戦した日本ハムの加藤貴之(31)はストライクカウントを先行させようとするピッチャーなので、甘いボールが行ってしまったかもしれません。とはいえ、前評判以上に良いバッターなのは間違いありません」 推定年俸は2億円。大金をはたいて獲得したので、オドーアの開幕スタメンは「確定」というのが、大方の見方である。