日本のこれからの「国のかたち」はどうあるべきか…? 持てる資源を活かして地域を活性化、「生活の質」向上へ
能登半島が地震に襲われてからもう3ヵ月が経つが、復旧はままならない。若者が大都市に去り、過疎になってしまった地域の問題点も浮き彫りになった。東京一極集中の問題や国土の均衡ある発展という課題も最近では語られなくなった。日本のこれからの国のかたちはどうあるべきなのかーー。 【写真】自治体が「地方創生」をガンバると、「人口減少」が加速する
山口市がニューヨークタイムズに注目される
2024年1月、ニューヨークタイムズ紙は、「52 Places to Go in 2024( 2024年に行くべき52ヵ所)」を発表したが、山口市が、北アメリカで見られる皆既日食、フランスのパリに続いて3番目に取り上げられている。 推奨の理由としては、「山口市は西の京都とも呼ばれ、過度な観光客に悩まされることが少ないコンパクトな都市」であることをあげている。 3月31日、KRY山口放送の記者が、桜の名所、一の坂川での雛流しを眺める人々の中に外国人観光客を見つけてインタビューすると、「ニューヨークタイムズの記事を見て来ました。とても美しく趣のある街で、フェスティバルに参加できて幸運でした」と答えた。ニューヨークタイムズの記事の効果が早速現れている。 私は福岡県北九州市の生まれなので、関門海峡を挟んで山口県はお隣であり、下関市のみならず、山口市にもよく出かけたものである。新幹線だと新山口駅で下車するが、私は、自分で車を運転して行くので、実家の八幡から約100km、約1時間半の距離である。 認知症の母親を連れて、温泉を楽しませたのは湯田温泉である。天皇皇后陛下もお泊まりになったという老舗の旅館で、料理も満喫した。湯田温泉も山口市の大きなセールス・ポイントである。 大内家が1442年に建立した国宝:瑠璃光寺五重塔、1549年に鹿児島に到着し日本にキリスト教を伝えたザビエル(山口では「サビエル」と呼ぶ)を記念する聖堂、山口祇園祭なども観光資源である。 山口は、京都、小田原、名古屋と並ぶ外郎(ういろう)の産地でもある。娘が小学校の夏休みの自由研究に外郎を選んだことがあり、小田原と山口に連れて行ったことを覚えている。 幕末明治維新には、長州藩は多くの人材を輩出しており、萩城下町・松下村塾などが有名である。また、カルスト台地の秋吉台・秋芳洞、多くの瀟洒な温泉、さらにふぐ料理をはじめとする料理も楽しめる。 ニューヨークタイムズが注目するように、山口市には素晴らしい観光資源があるが、日本全国に日本人も再発見するような同様な楽しい場所がある。