西九州新幹線（武雄温泉―長崎間、約66キロ）が23日で開業から2年を迎えるのを前に、3連休初日の21日、駅がある沿線5市では記念イベントが開かれ、利用客や住民らが祝った。本州などからも多くの人が訪れ、お祝いムードに包まれた。 【地図】西九州新幹線のルート

「赤いラインがかっこいい」

切符代わりの赤い特注Tシャツを着た乗客でにぎわうJR長崎駅のホーム（21日午前9時3分、長崎市で）＝佐伯文人撮影

　21日午前8時過ぎに長崎駅に到着した西九州新幹線からは、「GO　WEST2」と書かれた赤いTシャツを着た利用客が大勢降りてきた。同日限定の西九州新幹線が乗り放題となる特注Tシャツで、5駅のライブイベントやマルシェが楽しめるようにJR九州が昨年に続き企画した。

　2022年9月の開業日に、西九州新幹線「かもめ」に乗った熊本市中央区の中学2年の生徒（13）は2年ぶりに両親と乗車。「やっぱり赤いラインが入った車両がかっこいい。嬉野温泉や新大村の駅には降りたことがないので、今日はこの順番に降りて盛り上がりたい」と笑顔だった。

　奈良県天理市の飲食店経営者（44）は初めて長崎を訪れ、「いい街ですね。沿線を楽しみたいです」と語った。

　JR九州は1か月前から、限定Tシャツを大人5000枚（1枚税込み3000円）、子ども2000枚（同1500円）でネット販売。昨年は、1週間前までに約5000枚、当日の駅売りを含め約6800枚が売れた。今年は1週間前までに約2700枚が売れたという。

「かもめ楽団」バンド演奏

　武雄温泉駅（佐賀県武雄市）では駅前広場で記念イベントが開かれた。特設ステージでは、市民らでつくる「かもめ楽団」がバンド演奏で開業2年を祝った。リーダーの豊村貴司さん（52）は「あっという間だったが、長崎と武雄の人の交流が増えたと感じている。多くの人に利用してもらい、武雄の活性化につなげられればうれしい」と話した。

車両丸洗いに180人

　大村車両基地（長崎県大村市）では、かもめの車両を丸洗いするイベント「GO　MARU―ARAI」が開かれた。約5200人の応募者から抽選で選ばれた約180人が参加。車体の側面に水鉄砲で洗剤や水を吹き付け、デッキブラシやモップなどで丁寧に磨いた。洗浄後に記念写真を撮影する親子連れらもいた。