最強のヤンキー映画は? 名作珍作揃い…究極の漫画実写映画(2)伝説級の日本映画がすごい…名優2人のデビュー作
1980年代以降、中高生を中心に絶大な支持を集めているヤンキー映画。バトルものとして楽しめ、“男気”も学べるヤンキー映画だが、一口にヤンキー映画といってもコメディから恋愛まで要素はさまざま。本記事では、1980年代の王道作品から「いや、それはねーだろ!」と思わずツッコみたくなる珍作も含め、5本の映画をセレクトした。今回は第2回。(文・ZAKKY)
『湘南爆走族』(1987)
上映時間:92分 監督:山田大樹 脚本:山田大樹 和泉聖治 キャスト:江口洋介、織田裕二、清水美砂、杉浦幸、翔 【作品内容】 神奈川県茅ヶ崎市にある波打際高校。紫色のリーゼント頭がトレードマークの江口洋助は、手芸部部長と湘南暴走族のリーダーという二つの顔を持っていた。彼は、校庭で仲間と落ち合い、湘南の潮風の中を単車でぶっ飛ばす日々を送っていた。ちょうどその頃、荒くれ集団「横浜御伽」が湘南進出を画策しはじめ…。 【注目ポイント】 本作は、吉田聡による同名コミックを原作に、湘南に生きる暴走族の姿を描いた作品。1987年の公開当時は、シリーズ3作目となる『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎行進曲』と『スケバン刑事』(主演:南野陽子)とともに、”ツッパリ三連打”として話題を呼んだ。 『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズと並び、社会現象にまでなった大人気漫画を原作とする本作だが、アクションシーンが魅力の同シリーズに比べると正直演出面でのチープさが否めない。しかし、それでもなお「伝説の作品」として語り継がれているのは、本作が人気俳優・江口洋介と織田裕二の映画デビュー作だからに他ならない。 本作で江口が演じるのは、手芸部の部長と暴走族の総長という2つの顔を持つ男。難しい役だけに『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズの主役である仲村トオル同様、演技力はまだ拙いものの、大器の片鱗を感じさせる存在感を放っている。また、原作の主人公・江口洋助と本名が一文字違いという点も、運命のいたずらを感じさせる。 また、当時の青春映画に数多く出演してい清水美沙も本作がデビュー作。本作では手芸部の地味なメガネ女子・津山よし子を演じているが、現代の若者の目には魅力的な「萌えキャラ」として映るかもしれない。