「上海ガニ下落」と「上海バブル崩壊」で中国経済の苦境があらわに…!いま指摘されている「習近平に権限集中」の巨大リスク
中国共産党への重大な指摘
仮に中央政府が財政出動に乗り出したとしても、問題の全面解決にはならないだろう。 中国経済を苦しめている不動産バブルや過剰債務、過剰生産能力の問題は2008年のリーマンショック後の大型景気刺激策の「つけ」であることから、従来型の景気刺激策ではプラスよりもマイナスの効果が大きいからだ。 中国も30年前の日本と同様、インフラの過剰が深刻化しており、膨れ上がった地方政府の債務削減の方が、優先順位が高くなっている。 中国経済も投資主導から消費主導への構造転換が待ったなしの状況となっているが、かつての日本以上にその達成は困難だと思う。 「中国共産党には政策の潜在的な弱点を検証する『レッドチーム』が必要だ」との指摘が出ている(10月15日付Forbes JAPAN)が、習近平国家主席に権限が集中している状況下で、習氏が後ろ向きだとされる消費刺激策が今後拡充されるとは思えない。 そんな巨大なリスクを抱え、かつての輝きを失い「沈みゆく中国」の様相を呈し始めている中、最も割を食っているのは若者だ。 つづく後編記事『「あいつらは寄生虫だ」…!習近平の「いけにえ」にされた若者が「特権エリート」へ投げかける「ヤバすぎる言葉」』では、いま中国の若者たちにひろがる不穏な空気について考えていこう。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)