ラグビーコラム リーグワンの4強が出そろう 残り2試合の「過ごし方」が優勝戦線の鍵を握る
【ノーサイドの精神】リーグワンのプレーオフ(PO)に進出する4チームが出そろった。 第14節を終え1位の埼玉、2位のBL東京、3位の東京SG、4位の横浜。埼玉と東京SGは3季連続、横浜は2季連続、BL東京は2季ぶりのPOとなる。 4強が決まったとはいえ、直近3試合の戦い方を見ると、万全といえるのは埼玉、一時の停滞を脱したのが横浜で、BL東京と東京SGは少しもたついた。 埼玉は相模原、BR東京、トヨタからそれぞれ6トライ以上を奪い、危なげなく勝った。横浜もBR東京、花園、相模原といずれも下位のチームからしっかり勝利。東京SGは神戸、三重を破ったあと、静岡には最大14点差を追いつかれて引き分けた。BL東京は東京ベイに終了間際のトライで逆転サヨナラ勝ちしたあと、神戸には逆に終了間際にトライを許してドロー、NO・8リーチがリザーブで2カ月ぶりに戦列復帰した三重戦は8-7の辛勝だった。 そして、レギュラーシーズン残り2試合の戦い方は大切だ。27日にはBL東京-東京SG、最終節の5月4日には横浜-埼玉と、4強同士の直接対決があるのが注目される。この2試合は、POで再対決となる可能性も低くない。 BL東京は、残り2試合のどちらかで(両方かも)リーチを先発させ、キャプテンも任せるだろう。これはリーチの希望でもあるという。キャプテンは、試合中の方向性を決めたり、レフェリーとコミュニケーションをとったりと、仕事は多岐にわたる。2カ月間、その職務から離れていたリーチが〝キャプテン勘〟を取り戻すことは、POに向けて大事なことだろう。 一昨季優勝し、昨季は準優勝と、シーズンの乗り切り方を熟知する埼玉は、レギュラーシーズン残り2試合でどんな戦いをするのか。選手を入れ替えながらプレータイムを調整してコンディションを整えることがあるかもしれないし、対照的に決勝のシミュレーションとなるプレーをしてくるかもしれない。いずれにせよ、2季ぶりの優勝につながる〝種まき〟をしてくるに違いない。 横浜は、31-12で勝った4月6日のBR東京戦後、沢木敬介監督がもらした「簡単なエラー、焦ってコントロールできない状況など、選手が目指すレベルでプレーしていないという点はトップ4、それ以降にも影響が出てしまう」という嘆きが解消できているか。アタッキングラグビーが身上の東京SGは、SO高本幹也が「ここ3試合ほど、相手ゴール前でスコアを取り切れていない」と振り返る。栄光は、伸びしろを、きちんと伸ばしたチームに輝く。(田中浩)