マニラ、フィリピン、7月26日 (AP) ― フィリピンの石油タンカーが7月25日未明、マニラ湾で大波を受けて沈没した。同国沿岸警備隊は夜間の救助活動で、17人の乗組員のうち16人を救助したが、大規模な事故になる可能性がある油の流出があったかどうかを確認中だという。 　石油タンカー「テラ・ノバ」は、140万リットルの工業用燃料油を積んでルソン島西部のバターン州を出港、中部イロイロ州に向かう途中マニラ湾で大波を受けて沈没した。 　沿岸警備隊は生存者の証言として、「乗組員は船を出発した港に戻そうとしたが、夜中を過て沈没した」と語った。 　沈没事故当時、フィリピンは数日間続いたモンスーンの大雨と、太平洋を通過中の台風の影響で地滑りと洪水が多発、少なくとも22人が死亡、50万人以上が避難を余儀なくされるなど、最悪の気象状況だった。 　沈没現場上空からの調査では、タンカーが沈んだ辺りで長さ約3.7キロの帯状の油を確認したが、船倉に積んである燃料油ではなく、沈没船のエンジンからの漏出の可能性があると見られている。 　沿岸警備隊によると、沈没現場の水深は34メートル前後と浅いため、一週間程度掛かるが、積み荷の油を別の船に吸い上げることは可能だという。   （日本語翻訳・編集　アフロ）